できるビジネスマンのノウハウ伝授
第2回 FAXは手書き? ワープロ? それとも……(2/4)
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田中君 「いやーそれがですね、FAX送付状を手書きで作ってたら、竹内先輩に叱られちゃって……。でも先輩からワープロのテンプレートファイルをもらったので、いまはそれでやってます。結構ラクチンですね」
及川先輩 「ワープロのテンプレートファイルを使ってるの?」
田中君 「ええ、あんな便利なものがあったなんて、竹内先輩も早くファイルをくれれば良かったのに」
及川先輩 「田中君……。テンプレートファイルで作ったFAX送付状って、ぜんぶ別々のファイルに保存して取ってあるの? それだと、ばらばらのファイルがたくさんできてしまうでしょ」
田中君 「もちろん、全部取ってありますよ。 もう、ファイルだらけになっちゃうんですけど、ファイル名に送った日付を付けておけば、あとで探しやすいですし」
あれれ、なんだか及川先輩の表情が曇ってきたぞ、なんかマズイこと言っちゃったかな……。
及川先輩 「田中君、FAX送付状をデータベースにしてみたらどうなるかな? 今よりもずっと良くなると思うんだけどな。FAX送付状って、いつも同じフォーマットになってるよね。書き込む項目もだいたいいつも同じでしょ。データベースにむいていると思うよ」
田中君 「データベースに……ですか」
及川先輩 「そうよ。まず、ワープロのテンプレートファイルから作ったFAX送付状を、別々のファイルにして全部ばらばらに保存していることで、問題になりそうなことを想像してみて。きっとデータベースにしたほうが良いことに気がつくと思うよ。何日かしたら様子を見に来るから頑張ってね」
そう言い残して及川先輩は去っていってしまった。『FAX送付状』をデータベースにしたらいいのにって言ったよな。なんでだろう? 今だって、 FAX送付状をワープロで保存してるから、送信済みのFAXを探すのも簡単にできるはずだし。「問題になりそうなこと」って、いったい何だろう?
ワープロFAXの落とし穴
電話 「豊玉映像の芥川と申しますが、営業2課の田中さんいらっしゃいますか?」
田中君 「はい、私ですが」
電話 「先日FAXで送っていただいた、御社の新製品のスペックなんですが、あれをもう一度送ってもらえますか?」
田中君 「ええ、だいじょうぶですよ。いつの日付のFAXでしょう?」
電話 「日付はちょっとわからないんですよ。実はFAXをうっかり処分してしまったらしくて。申し訳ないですが、取り急ぎ、再送してもらえますか? 来期の予算の中に組み込んでおきたくて」
田中君 「はい。了解しました」
こ、困ったぞ。日付がわからないと、どのフォルダに入っているのかがわからない……。あれから送ったファイルは20個以上あるからなあ。ワープロのファイルの中身はわからないし。これは、ひとつひとつ開いて確かめるしかないか……。
けっきょく、ワープロで全部のファイルを開いて、ひとつひとつ自分の目で確かめなければなかったのだ。せっかくコンピュータで作ったFAX送付状なのに、これだったら手書きできちんとファイリングしてあったほうがましだった。
今はまだいいほうだ。まだ作り始めて1カ月も経っていないんだから、ファイル数もすくないけど、これが1年分とかなったときには、どうなることか。いずれ破綻が来るのは確実だ。
つまり、
- 遅かれ早かれ、ファイルの数が増えすぎる
- 大量のばらばらのファイルの中から以前に送付したFAXを探すのが困難になる
- ファイル名からFAXの内容を推測できないので目的のFAXをすぐに探せない
こんなことが思い浮かんだのだけど「FAX送付状」をデータベースにすると、これらの問題点はどうなるのか。
- データベースなので、ファイルは1つですみ、
- データベースに登録されている情報は検索が可能なので、FAXの内容で検索を行えば、目的のFAXをすぐに探すことができる
確かにデータベースにしたほうが、ワープロでファイルを管理するよりも良いような気がしてきた。まあ及川先輩もああ言っていることだし、ファイルメーカーProを使って「FAX送付状」をデータベースにしてみることにした。
まずはフィールドだ。今使っているワープロのテンプレートにある項目は、
- 日付
- 相手先の会社名
- 部署
- 役職
- 相手の名前
- 電話番号
- ファックス
- タイトル
- 本文
- 送信枚数
- 差し出し人の名前
こうして挙げてみると、FAXにも意外に多くの情報が入っていることがわかった。さっそく、ファイルメーカーProで新しいデータベースを作成して、ファイル名を「FAX送付状.fp5」と命名し、フィールド定義を行おうと思ったが、ふと考え直した。
待てよ、このフィールド定義は、前に作った顧客情報データベースの「顧客情報.fp5」とかなりダブってるな。ならば、これを複製して、そこから作り直していったほうが早いかも。いや、ぜったいそのほうがいいに決まってる。
というわけで、「顧客情報.fp5」をWindows上で複製しておいて、名前を「FAX送付状.fp5」に変更。既にあるフィールドに、足りないものを追加していくことにした。
[高岡幸生(ジェネコム), ITmedia
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