ArcSwing機構搭載の「L567」登場で、ますます充実のMultiEdgeシリーズ(前編)液晶モニターのナナオが、新たな挑戦を開始した。スペックだけではなく、ユーザーにとって最適なモニター環境とは何か、最新の「L567」を中心に見ていこう。
液晶モニタのメーカーとして定評のあるナナオが、新たな挑戦を開始した。スペックだけにとらわれるのではなく、ユーザーにとって最適なモニタ環境とは何かまでを考えて、今回投入したのが「FlexScanL567」(以下、L567)だ。同社の「MultiEdgeシリーズ」最上位モデルにあたり、これによりシリーズのフルラインアップがそろうことになる。
L567の最大の特徴は、新開発の「ArcSwing機構」スタンドだ。高さ調節とチルト角にこれまでにないアーム機構による前後動作を加え、自由度を持たせることが最大の特徴であり、チルト角は上60度、下1度で高さ調節の範囲は100mmだ。 L567の普及版という位置づけの現行モデル「L557」のチルト角上30度、下5度と比べて下は1度と減少したが全体で大幅に強化されているのが分かる。 従来製品でのチルト角は、単にモニタ部分が前後に稼動するだけなので、モニタ部分を調整すると、目線と液晶モニタの位置間隔が、ずれてしまうことになる。つまり目の焦点距離が変わってしまうわけで、ユーザーにはあまりやさしくなかったということだ。 これに対し、ArcSwing機構は円弧を描くようにモニタ部分がせり出すように稼動するため、従来のチルトでは調整しきれなかった角度まで、微調整が可能となっている。このため、ユーザーとモニタの距離が一定に保たれ、ユーザーに負担をかけることなく、モニタ位置を好みの角度へ動かせるわけだ。
L567の液晶パネル部は、2002年7月に発売した「FlexScan L565-A」と同じ、日立製作所の「Super-IPS」方式の17インチTFT液晶パネルを採用している。Super-IPS方式は視野角が広く、モニタを見る位置や角度が変わっても、コントラスト比や色合いの変化を極力抑える、低色度変位が特徴だ。 推奨解像度は1280×1024(SXGA)ピクセル。視野角は上下左右170度と広く、コントラスト比400:1、輝度も230cd/m2と十分満足のいくスペックだ。応答速度は35msと平均的で、動画やゲームなどにも十分対応できる。 画質や色合いを調整するOSD(On Screen Dysplay)は日本語表示に対応しており、操作性はよい。メニューの階層はやや深いが、これまで同社の製品を使っていたユーザーはもちろん、初めて使うユーザーでも直感で操作できるだろう。
操作はパネル前面の十字ボタンで行う。横一列の操作ボタンをやめ、2001年に発売されていた「FlexScanL461」などに採用されていた、十字ボタンが復活した。操作性の向上という点で、これはうれしい。ただスペースには余裕があるだけに、もう少し大きいボタンをつけてもらえるとさらに良かったのではないだろうか。
さて、モニタ部を前にせり出した時でもしっかり安定するよう、フットプリントはかなり広く取られており、重量もある。このためArcSwing機構未搭載モデルと比較すると、若干広めのスペースを確保しておくといいだろう。 Webサイトなどを閲覧する際に便利なローテーション(縦表示機能)も可能で、左右どちらにも90度回転する。 L567は液晶モニタとしての性能は十分満足のいくものを装備した上で、ArcSwing機構による自由度の高いパネル調整を実現した製品だ。液晶であれば何でも満足してしまうのではなく、よりよいデスクトップ環境を実現したいユーザーにおすすめしたい。
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