日本HP、Pentium M搭載の二つのモデルが狙うもの(1/3)7月14日に日本HPから発表されたHP Compaq Business Notebook nx7000は、HP初のCentrinoブランドを採用したマルチメディアA4ノート。一方、Pentium M とATI RADEON IGP 350Mを採用し、IEEE802.11a/b/gの3種の無線LAN規格に対応したB5モバイルは、nc4000シリーズとなる。共にビジネス向けノートPCであり、“ワイヤレス”をキーワードにしながらも対極とも思える製品コンセプトによって両モデルは誕生した。 まず、HPのモバイル戦略と今回発表された2製品のポジショニングについて、同社パーソナルシステムズ事業部モバイルビジネス本部本部長の挽野元氏に話を伺った。
HP Compaq Business Notebook nx7000を持つnx7000製品担当、山上氏(左)とHP Compaq Business Notebook nc4000を持つモバイルビジネス本部本部長の挽野氏(右)
「弊社のモバイル戦略は、“ハイコストパフォーマンス”と“最新テクノロジー”をキーワードにした二つの柱で構成されています。ハイコストパフォーマンスの新製品としては、すでにオールインワンA4ノートのnx9000シリーズが3製品発売され、圧倒的なプライスパフォーマンスで好評を得ています。今回発表されたnx7000とnc4000は、タブレットPCや指紋認証付きiPAQなどの製品群を発売してきた“最新テクノロジー”というカテゴリーに含められます」 新製品では最新テクノロジーを追求した。ということは、コストパフォーマンスは後回しにしたということなのだろうか? 「いいえ、コストパフォーマンスももちろん重要視しています。ただ、それ以上にデザインや最新のテクノロジーを訴求していくわけです」。 今回発売された2機種のうち、nc4000はPentium Mを採用したが、あえてCentrinoモデルにはしていない。その理由は……? 「モビリティが重要視されるB5ノートについては、将来を見据えたワイヤレス環境を提供したいというわれわれの戦略が重要になってきます。そのため、nc4000では現在主流であるIEEE802.11bに加え、IEEE802.11a/gといった規格をサポートさせたかった。そのため、11bの制約があるCentrinoモデルにはしませんでした。ただし、CPUは、バッテリー駆動とパフォーマンスを両立させるためにPentium Mを採用しています」 「一方、15.4ワイド液晶を搭載してマルチメディア機能を重視したnx7000は、オフィスの外ではなく内での空間を大事にしたいユーザーに、Centrinoの恩恵を提供することになるでしょう。オフィス内でも電源回りはすっきりしていた方がよいし、バッテリーの持ちも長ければ長い方が嬉しいですからね。ワイヤレスといっても、それぞれの環境に適した製品があってよいはずです」 そのCentrino搭載モデルだが、多くのメーカーがIntelの発表にあわせて、その搭載モデルを発表した。日本HPは製品のアナウンスが他社より遅れたが、なぜだろうか? 「それは先ほどの話と同じ理由です。HPのモバイルビジネス戦略では、CentrinoノートPCと、IEEE 802.11a/b/gをサポートしたノートPCの両方をそろえておきたかった。そのため、11gのサポートが可能になったこの時期まで、Centrinoノートの発表を待ったんです」 両極ともいえるほど、その個性が違う今回の二つのモデル。それぞれ、どのようなユーザーをターゲットにしているのだろう?
「nc4000は、モビリティ性を重視するあらゆる企業ユーザーに使っていただきたいですね。nx7000は、映像や音声データを扱うエンターテインメント系ユーザーや、幅広の画面でEXCELを開いて快適な作業を行いたいユーザーにお勧めです」 そういえば、nx7000開発担当の山上正彦氏は、5月に行われたプレス向け説明会で「Centrinoは、ちょっと変わったものを出しますよ」とコメントしていた。確かに日本HP初のCentrino搭載モデルは、他社製品と比べてちょっとユニークな“パーツ”を搭載して登場している。
最終テスト機をいじりながら、なんだかうれしそうな山上氏
[遠竹智寿子, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/3 | 次のページ モバイルショップ
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