> レビュー 2003年7月16日 06:29 PM 更新

もう迷わない!?――アイ・オー・データの世界初「DVD Multiプラスドライブ」を試す(2/2)


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 これはDVR-ABH4がすべてのレコーダブルDVDメディアをCAV最大8倍速で読み出すのに対し、DVR-A06JはCAV最大6倍速、DRU-510AはCLV4倍速で読み出すためだ。DVR-ABH4とDRU-510Aのベリファイに要する時間差は4分以上となっており、これは決して無視できる差異ではない。

 ベリファイは不要と言う人もいるだろうが、レコーダブルDVDメディアは記録容量が大きいこともあり、記録したはずのデータが実は読み出せなかった、といった場合の損失も大きい。より確実にレコーダブルDVDメディアにデータを記録したいという人にとってベリファイの高速な本製品は、競合製品に比較して大きな魅力なはずだ。

 参考までにいわゆる激安メディアの一つである「Xiteck」ブランドの等倍速対応DVD-Rメディア(PRINCO社OEM)への書き込みを行ってみたが、2倍速で書き込みが行え、ベリファイも安定して行われた。簡易的なエラーチェッカーとしても利用できる「KProbe」(Lite-on製ドライブのみで動作)を用いてエラーチェックを行ってみたが、全域にPIエラーなどは多いものの、読み出しに支障の出るレベルではなかった。この結果を見る限り、こういった激安メディアへの書き込みにも比較的強いドライブと言うことができるだろう。

世界初、DVD-RAMへの3倍速記録は?

 “+”へ対応と共に、本製品で注目されるのはDVD-RAMへの3倍速記録。DVD-RAMは他のレコーダブルDVDメディアと比較すると再生互換性が低いという難点もあるが、ドライブ側での代替処理といった信頼性の高さ、フロッピーライクな使い勝手、最近ではDVD-RAMビデオレコーダーとの高度な連携といった独特の特徴から強く支持する人も多い。そもそも本製品の購入を検討する人の多くは、何らかの形でDVD-RAMに魅力を感じているはずだ。

 なおDVD-RAMへの3倍速記録は対応メディアが必要であり、既存の4.7/9.4GBメディアでは従来通り2倍速記録となる。また本製品ではDVD-RAMの読み出し速度も最大3倍速となっているが、読み出し速度はメディアの書き込み速度に準じており、3倍速での読み出しは3倍速記録対応メディアでのみ可能となっている。

 ここでは従来の(2倍速対応の)DVD-RAMメディアと、Maxell製の3倍速対応DVD-RAMメディアを用いて読み書き速度の検証を行った。また現行のDVD Multiドライブである「Panasonic LF-D521JD」も比較のため検証に加えている。

 なお本製品に限らないが、DVD-RAMへのファイル書き込みではハードウェアベリファイを無効にできない。このため、エクスプローラを利用した書き込み/読み出しに加え、ハードウェアベリファイを行わないAVライトでDVD-RAM VideoRecordingフォーマットでの書き込みが行える「DVD Movie Album 3」を用い、DVD-RAMへの映像の書き込みも行った。


DVD-RAMメディアの読み書き時間の比較

 書き込んだファイルは単一で1Gバイトのファイルと、デジカメで撮影した画像ファイル2500個で構成する計1Gバイトのファイル群。AVライトでの書き込みに利用したのも1GバイトのMPEG2ファイルだ。

 ファイル書き込みでは、ベリファイの影響からか書き込み速度の違いほど3倍速メディアでも所要時間は短縮されていない。だが、それでも3倍速対応メディアでは確実に高速な書き込みが行われている。読み出しはおおむね3倍速と2倍速の違いが反映されており、AVライトもこれに近い。また同じ2倍速メディアを利用した場合にはLF-D521JDより、すべてにおいてわずかながら高速であった。

豊富な付属ソフトに加え価格競争力も十分、保険と思っても魅力の全部入り

 本製品はレコーダブルDVDメディアだけではなくレコーダブルCDメディアへの書き込みもCD-Rが最大24倍、CD-RWが16倍。単体の最新CD-R/RWドライブと比較すれば少々見劣りするが、レコーダブルDVDドライブとしては高速であり、実用性になんら問題はない。CD-RWドライブと代替してしまっても大きな不満が出ることはまずないだろう。

 付属ソフトも豊富だ。ライティングソフトやDVDビデオ再生ソフトに加え、ビデオ編集、DVDオーサリング、画像管理、3Dタイトル作成に対応するアイ・オー・データ機器製品ではお馴染みのUlead社製ソフトパッケージが付属する。

 DVDビデオオーサリングソフトである「Ulead Movie Writer 2 SE」はDVD-RAMビデオレコーダーで記録されたDVD-RAMメディアから直接映像を取込む機能も備えており、録画は民生機、DVDビデオ化はPCといった使い方にも対応できる。

 広報資料やWEBサイトなどには明記されていないが、今回お借りした製品の付属CDに入っていたDVDビデオオーサリングソフト「DVD Movie Writer 2SE」は、「Dolby AC-3」対応版であった。

 ハードウェアバンドルのDVD Movie Writer 2SEでは通常、Dolby AC-3対応へのアップグレードパスが提供されておらず、またDolby AC-3対応のためのプラグインがそもそも6800円で販売されていることを考慮すると、本製品はかなりお買い得なパッケージになっていると言える。

 本製品は7月下旬の出荷を予定しているが、すでに予約を受け付けている大手量販店もあり、販売価格は2万円台後半となっている。

 先行したデュアルドライブに対しても大きな価格差はなく、「すぐにDVD-RAMを使う予定はないが……」という人でも、DVD-RAM対応を“保険代わり”と割り切れる価格だ。すでにDVD-RAMを利用している人はもちろん、レコーダブルDVDドライブは規格が複雑でどれを買って良いのか分からないといった人も、7月下旬の出荷まであと少し待ってみるだけの価値はある製品だろう。

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[坪山博貴, ITmedia ]

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