> レビュー 2003年7月18日 01:28 PM 更新

フルオート系機能が充実した500万画素コンパクトデジカメ
ミノルタ DiMAGE F300(1/4)

製品写真
総合評価7
画質8
カメラ性能7
デジタル性能8
デザイン・インタフェース6
機動力7
レイティングポリシー

評価のポイント

画質

     不自然なエッジ強調はなく、好感が持てる柔らかめの画質。ワイド側で若干のタル型ゆがみが気になったり、ホワイトバランスの安定度に疑問があったりするものの、基本的なレベルは高い。ただ、低感度側はISO64と低めで、ISO200ではノイズが見え始め、ISO400では偽色ノイズがかなり気になる。

カメラ性能

     レンズは38ミリからの3倍ズームだが、マクロモードで使えるのはテレ端のみ。このクラスならズーム全域でマクロを使いたかった。とはいえ、ノーマル時でもCCD面から50センチまで寄ることはできる。撮影機能はさすが高機能デジカメで、絞り優先、シャッタースピード優先AE、マニュアル露出が選択可能なほか、マニュアルフォーカスやマニュアルホワイトバランスなども装備。一通りのマニュアル撮影ができる。

デジタル性能

     フルオート時に自動で撮影シーンに適したモードをセットしてくれるオートシーンセレクターや、フレーム内の被写体の動きを自動的に追ってくれる自動追尾AFなどのユニークな機能もある。ただし、自動追尾AFは領域がフレーム中央部(面積でいえば全体の1/4)のAFエリア内に限られ、追尾速度にも限界がある。このため、実用性はある程度限られるだろう。それ以外は極めてポピュラーなデジカメだが、+Vividカラーや彩度、コントラスト、シャープネスの調整などで絵作りをコントロールできる。

デザイン・インタフェース

     スクエアなボディのスティックスタイル。強い個性はないが、シンプルでよくまとまっている。だが、モードダイヤルが電源スイッチを兼ねている点や、十字キーがズームレバーを兼ねている点が、使い勝手をやや落としている。十字キー自体は使いやすいが、ズームレバーとしては親指の移動量が多く、今一つ操作しにくいのだ。

機動力

     起動は約5秒。実際の起動時間よりも長く感じるのは、レンズの沈胴やズーミングが遅いからだろう。レンズの繰り出し量も多く、持ち歩いているとぶつけそうで気になることも。バッテリーは単3型ニッケル水素充電池2本だが、3Vのリチウム電池パックCR-V3も利用できる。

総合評価

 500万画素の高級コンパクトデジカメでマニュアル系の機能もそろっているが、どちらかというとフルオートシーンセレクターや自動追尾AFといった一般ユーザー向けの機能が充実している。バッテリーは単3型2本なのでどこででも入手可能だが、持ちを考えるとヘビーユーザー向きではない。カメラにはさほど詳しくないけれど、ワンランク上のデジカメが欲しいと思っている人に向いた製品だ。起動やレンズのズーミングが遅いのは今一つ。

ベンダー製品担当者からの一言

「DiMAGE F300」は、コンパクトでスタイリッシュなボディに、500万画素CCDと先進のオート機能による簡単操作と充実の作画機能で、高画質を思いのままに操れるデジタルカメラです。自動追尾AFやフルオートシーンセレクター、11コマ/秒のウルトラハイスピード連写など、利便性の高い新機能を搭載し、またカラーもシルバーとブルーの2色をご用意しています。(ミノルタ 広報IR部カメラサポート課 龍 里美)

主要スペック

有効画素数約500万画素
レンズ38〜114mm相当(35mm換算)、F2.8〜4.7
ズーム光学3倍ズーム
最大画像解像度2560×1920ピクセル
記録メディアSDメモリーカード/マルチメディアカード
バッテリー単3型ニッケル水素充電池×2/CR-V3型リチウム電池
サイズ(W×D×H)111×32.5×52.5mm(突起部を除く)
重量約185g(本体のみ)

[荻窪圭, ITmedia ]

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