ソニー製610万画素CCDを搭載した世界最小・最軽量のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「*ist D」で、ペンタックスがついにこの市場に参入した。ペンタプリズムを開発した一眼レフのパイオニアとしては、デジ一眼のリリースは全社的な悲願だったろう。専用設計のボディは、同社の“本気”ぶりを感じさせる。
「*ist D」は世界最小・最軽量のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラである。小さなサイズに高機能を詰め込むのは高度な技術を要することだ。デスクトップPCよりもノートPCのほうが一般的に割高であることを例にあげると、理解されやすいだろう。 デジ一眼の後発組であるペンタックスはスモール&ライトウェイトに固執し、これを独自色として打ち出した。市場の評価(カメラ売り場の客の反応やオンライン上の各種掲示板)としては、デザイン性に優れているという声が非常に多い。スタイリッシュなボディデザイン、高いレベルの質感……。プラスチックボディとは思えない表面のシボ感がなかなかの高級感を感じさせてくれるし、手にもしっくりと馴染む。
*ist Dの主要スペック
スイッチを入れた後の起動時間はすこぶる速い。すぐさまシューティングワークに入れる。ニコン「D100」と互角ではないだろうか。 また、視野率の広いファインダーは見やすく、乱視の筆者にもMFで撮る満足感を与えてくれる。
メインダイヤルはわかりやすい。撮影モード、ISO感度、ホワイトバランス、画質モードの選択がここでコントロールできる。ホワイトバランスがメインダイヤルにあるのは歓迎すべきだろう。
*ist Dの上部。メインダイヤルには「P」(プログラムオート)や「AV」(絞り優先)、「TV」(シャッター速度優先)、「M」(マニュアル)といった撮影モードのほか、ISO感度やホワイトバランス、画質モードなどが並んでいる ホワイトバランス(WB)のアイコン(AWBや電球)は、液晶パネルではなくその下部に常時表示される。*ist DのAWBはコンスタントに適正な色みを出すことが可能だで、これは評価できる。AWBの適性度は、そのカメラの好感度や信頼性に直結する大きなファクターだからだ。 デフォルトの彩度はかなり淡泊な設定のようだ。*ist Dでは、彩度を3段階の中から選べる設計になっている。3段階のカラーマトリックスを調整するのは、例えるなら発色の異なるフィルムを使い分ける行為に近いかもしれない。つまり、被写体によってその都度、使い分けることに意味がある機能である。 PCでの色補正に自信があり、RAWで撮影することが多い人は、あまりシビアに捉えることはないかもしれない。しかし、カメラがJPEGで出力したままの色を尊重したいユーザーにとっては、3段階のカラーマトリックスがそれぞれどんな色みを作り出すのかは重要な判断材料だろう。この辺は店頭等で確認していただきたいのだが、筆者の個人的な感想を言うと、3段階のカラーマトリックスは疑似的なバリエーションのようで“発色の異なるフィルムを使い分ける感覚”が持てず、好みではなかった。 [島津篤志(電塾会友), ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/3 | 次のページ モバイルショップ
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