高品質実現
東芝の目指す理想的ノートPCはこうして生まれる(1/4)

東芝・青梅事業所では、オリジナルな技術と品質管理の徹底により、理想的ノートPCを目指した開発が行われている。その開発姿勢及び、開発段階での各種試験の様子を聞いた。

 東芝のノートPCと言えば“質実剛健”という言葉がよく似合う。無骨なデザインに最新技術を詰め込み、なおかつ丈夫で壊れにくい。かつては、そんな製品が多かった。これは、ビジネスの現場において“壊れにくい”ことが大きなアイデンティティとなるからである。その壊れにくさを継承しながらも、東芝社内の独自技術を組み合わせた小型PCへの取り込みにも挑戦してきたのは、読者もご存じのことだろう。

 そうした二面性は今、あらゆる製品で統合され、薄く、軽くとも丈夫で、最新技術を積極的に導入するアグレッシブな製品を生んでいる。東芝が取り組む理想的ノートPC開発の舞台裏を、東芝・青梅事業所の取材から探ってみた。

軽・薄・短・小への挑戦

 東芝製ノートPCの頑強さは、もはや伝説と言えるかもしれない。「長年使っているけど、今でも快適に動いているよ。東芝のノートパソコンすごいね、とよく言われるんです」と、東芝・青梅の開発メンバーは笑いながら話す。

 当時の東芝製ノートPCはグレーの決してオシャレとは言えない固まりのような製品だったが、その信頼性やキーボードなどの品質に対する信頼感は圧倒的なものだった。しかし、これらの話を昔話として語られることに関して、青梅のスタッフは苦笑いを浮かべる。なぜなら今もなお、そのポリシーに変化はないからだ。

 「昔の東芝製ノートPCは丈夫だったと言われますが、実際には品質に関するポリシーは変えておりませんし、堅牢性に関しては、試験内容こそ時代のニーズにより多少変化しましたが、基準値のレベルは変えていません。昔も今も、丈夫なことに変わりはないんです。変わったのは丈夫さではなく見た目。軽く、薄く、小さいノートPCを丈夫さを保ったまま作る。そうした部分に我々の技術が生かされています」

落下試験


輸送・流通を想定して、包装された状態で落下させる試験。ちなみに国や地域によって製品落下時の安全基準は異なるが、青梅事業所では厳しい基準に合わせて測定している

側面落下試験


 dynabookをいろいろな角度から落下させて、各部位の耐久力を見る試験。この試験から得られた部位の耐久度データを、3次元CADに入力することで、品質をブラッシュアップしていく

 その背景には、時代の違いがある。事務機の一種として始まったラップトップパソコンも、今やビジネス/コンシューマーの両面で携帯しながら利用するパーソナルツールとしての役割が多くなってきた。

 「以前はとにかく性能と機能、丈夫さが最優先。設計部門の意見が強かった。しかし今は、デザイン部門の意見が重視されるようになってきている。これはもう、使われ方の違い、時代の流れです。店頭での映え方、パーソナルツールとして所有した時の喜び。そうした面が重要視される時代なんです」

 とは言え、東芝の頑強さに関するポリシーは変わらなく、基準は進んでいるというのだから大変だ。

 「例えば、なめらかな曲面を使ったデザインがあらゆる製品に導入されています。曲面を使ったノートPCは、強度面では有利なのですが、小型化、軽量化には向きません。外装は曲面でも、中に入る部品は平面で構成されていますから、本当に小さいものしか入らなくなってしまう。無駄な場所が多くできてしまうわけです。しかし、そこをなんとかがんばって収める。それが我々の仕事の一つになっていますね」

 例えば超薄型ノートPCとして知られるdynabook SS Sシリーズ。薄型ボディながら堅牢性にも注意が払われている。S7以降ではフレーム構造を見直し、さらに「壊れにくいだけでなく、曲がりにくい、剛性感のある」筐体へと進化している。

[本田雅一, ITmedia ]

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