iPod新機能とiTunes for Windowsの詳細はどうなってる?――日本法人説明会レポート米Appleの発表を受け、日本法人も17日、「iTunes for Windows」やiPodの新機能などに関する説明会を催した。
アップルコンピュータは、日本時間10月17日早朝にサンフランシスコで発表された「iTunes for Windows」やiPodの新機能などに関する説明会を、同日午後、東京のアップル本社で開催した。 最初に、大宮哲夫プロダクトマーケティング本部長から、次のような総括的な説明が行われた。 まず、アップルの考える「iPodとはなんぞや」ということから。これは、いまや“プラットフォームの一つ”だ。Macintoshにしかつながらなかった当初は「マックの周辺機器」だったのだけど、(Windowsでも使えるようになった)今やMacintoshとならぶプラットフォームとなった(*1)。 かつて、ソニーが「ウォークマン」で作ったのと同じようなブームを、アップルはiPodで作りたい。当時、お店に「松下のウォークマンをください」って買いに来た人がいるという笑い話があるけれど、iPodもそういう風に言われるものになりたい。 iPodは1年以上かけ、販路をだんだんに広げてきた。最初はMacintosh売り場、つぎにWindows売り場、そしてパソコンの普及率が50%をこえた(パソコンを持っているのが当たり前になった)ころからはMDプレイヤー売り場にも置いてもらえるようになった。 そして、今度、iPodにカードリーダーがついてデジカメ画像のストレージとして使えるようになったり、ボイスレコーダーがついて録音ができるようになったりしたことにより、デジカメ売り場、電子文具売り場にも展開していける。 特に日本にはカメラ付き携帯電話という「化け物市場」がある。最近の高画素数の携帯には、もはや撮った写真をメールに貼付することができないものさえある。このようなものにiPodはベストマッチだ。出かけるときは、iPodとケータイとカードリーダーだけというスタイルがとれる。 ジョブズが「あり得ないことがおこった」と発表したのが「iTunes for Windows」だ。Windowsのデスクトップの上に、(Macintoshユーザーが)見慣れたあのiTunesがそのまま立ち上がっているのだ。クローズボックスの位置が違うのと、ウインドウ左端にメニューがあることを除けば、Macintosh版と全く同じ。従来のMacintoshでできた機能をほぼすべて実装(AIFFの再生はできない)。 Randezvousによる、ローカルネットワーク経由の音楽データ共有も、Macintosh版・Windows版の区別なく、同じようにできる。WindowsのAPIにはRandezvousはないので、これはアプリケーションレベルでの対応だ。 音楽に合わせてビジュアルを表示するとき、最初に白いアップルマークが表示されるのだけど、これもWindows版でもそのままである。 操作性も同じ。これはジョブズが冗談で言ったのだけど「これまでで出たWindowsアプリのなかでもっとも使いやすい!」のだ。 米国では、Windowsクライアントから、iTunes Music Storeを使えるようになった(日本からは、アクセスはできるが購入ができない)。iTunes Music Storeは今までで1300万曲を販売してきており、これはアメリカでの音楽のダウンロード販売市場の70%のシェアを占めている。Jobsは、開始からの12カ月で1億曲を売りたいと言っている。 販売曲数は、開始当初は大手レーベルの20万曲だったのだけど、本日インディーズ200レーベルが追加され、今月末には40万曲となる。 ホスト側も大きく更新されている。例えば、親が子どもに、おこづかいのように毎月いくらという形で、iTunes Music Storeから曲を買う権利を与える、ということができるようになった。子どもが、不正なファイル交換システムに手を出して、知らないうちに犯罪者になってしまっているということは、親としてはなんとしても避けたい。このシステムを使えば、不正なシステムに手を出すことを防げる。 また、誰かにiTunes Music Storeで曲を買う権利をプレゼントするというギフトもできるようになった。 これはまだなのだけど、AOLのさまざまな音楽評価ページからダイレクトにiTunes Music Storeの曲を買う、あるいはiTunes Music Storeの個々の曲の場所をメールに添付して友人に紹介するということもできるようになる。 残念ながら、これらはアメリカでの話であり、日本ではまだだ。でも、今までは「日本では未定」ということになっていたのだけど、ほんの少し、話せるようになった。日本を含めた米国以外へのグローバルな展開に向けて、システムの開発は行われている。 しかし、国によって著作権などの権利関係が全く違う。また、国境を超えて購入するときにどうするのか、国によって契約レコード会社が違うアーティストの取り扱いをどうするのか、ヨーロッパの人がアメリカに旅行に行ったときにそこで曲を買ったら、それはどこの国のレーベルの売り上げになるのか――このようなビジネス上の解決されない問題がたくさんある。 レコード会社、アップル、そしてユーザーのすべての権利が保障されるビジネスシステムを作るべく、いま動いているところだ。 つづいて、プロダクトマーケティングの小西達矢氏から、iPod用新製品とiTunesについての説明が行われた。 まず、Belkin社のVoice Recorder。Dockコネクタを装備したiPod専用のもので、接続するだけで、iPodで音声が録音できる。録音したデータはモノラル16bit、128kbpsのWAVEフォーマット。次にiTunesとシンクするときに自動的にホストマシンにコピーされる。iPodのCPUパワーがあまり高くないので、圧縮はしない(あとから、iTunesの上で圧縮することはできる)。5980円でアップルストアで予約開始中。発売は11月。
穴が見えるのは再生用のスピーカー。マイクの穴は天井部分に空いている
差し込むだけで、iPodは自動的に録音モードになる 次に、やはりBelkin社のMedia Reader。単4乾電池4本を内蔵。Dockコネクタに接続して、メモリカードの内容をiPodに読み込むことができる。 コンパクトフラッシュ(Type I、II)、スマートメディア、SDメモリーカード、メモリースティック、マルチメディアカード(MMC)の各メディアに対応。 読み込んだあと、メモリカードの内容を消去(フォーマットではない)することもできる。ただし、読み込んだ画像をiPodのディスプレイに表示するということはできない。 1万1800円でアップルストアで予約開始中。発売は11月。 スロット部分にはシャッターがついていて、使わないときには閉めておける
接続すると自動的に読み込みの画面になる。大きさはiPodよりもかなり大きい さて、iTunesはあらたにバージョン4.1となり、Windows版も登場した。対応OSは、Windows 2000、Windows XP。Meについては、「Mac OS 9に非対応なのと同じ理由(大宮氏)で対応外。いま、試してみたら、Meではインストーラーではねられてしまった。 すでに、米国アップルのサイトからはダウンロードできるが、Windows版はまだ英語版だけ(日本語版もすぐに出る予定)。これを日本語版OSで使用することはサポート外。 AIFFの再生こそできないものの、その他の機能はMacintosh版と同じ。なお、接続するiPodはFAT32フォーマットでないといけない。Macintosh版のHFS+のままではだめ。
こばやしの環境でのキャプチャー。ローカルネットワーク上の別のMacintoshのライブラリを再生しているところ。上がMacintosh版、下がWindows版。Windows版もなんの設定もなしに、ネットワーク上の別マシンを認識している
*1 「私が『新しいプラットフォーム』というのは縁起が悪いのです」という大宮氏の冗談もあった。「でも、過去2つのものとは違い、既に爆発的に売れている」そうだ。 [こばやしゆたか, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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