> ニュース 2003年11月4日 12:33 PM 更新

Longhorn、積年の夢「いつでも、どこでも」に一歩近づく(1/2)

Longhornがフォーカスしている分野の一つが「モバイル」だ。Longhornではモバイルでの操作性や、省電力、接続性、データ同期など、モバイルで必須とされるさまざまな点で革新的なアプローチが行われている。

 Microsoftは先週、米ロサンゼルスで開催したソフトウェア開発者向けのカンファレンス「Professional Developers Conference 2003(PDC 2003)」で、Longhornは“モバイル用途におけるユーザー体験の向上”を目指すと強調した。実際、PDC 2003ではモバイル向けアプリケーション開発者に向けた専門の技術トラックが用意されていたほどだ。

 米国市場では個人消費者のモバイルPCへの興味は、日本市場のそれほど高くはない。だが、企業向けではモバイルPCへのシフトが始まっている。現代のビジネスは、企業のITシステムにアクセスできなければ仕事にならないほど、コンピュータへの依存度が高まっているからだ。PCをはじめとするデバイスで、デスクワークで体験するのと同様の機能を提供できる場面を増やすことができれば、仕事の能率を高めることが可能になる。

 またユーザーが利用するデバイスのタイプも増加を続けており、携帯電話やPDA、ノートPC、タブレットPCなど、あらゆるモバイルデバイスで、均質な情報へのアクセスサービスが実装される必要がある。PCなどの情報機器を携帯するユーザーは、ワールドワイドで増加を続けるだろう。ホットスポットの増加も、そうした市場拡大の可能性を示唆している。

4つのモバイルエリアにフォーカスするLonghorn

 Microsoftはこれらの要求に対して、LonghornのWinFXを用いることで対応する。WinFXのフレームワークは、すべてモバイルPC向けに最適化され、ノートPCのパフォーマンス、バッテリー持続時間、ネットワークへの接続性などを失わないように設計されているという。

 WinFXは従来の単純な関数呼び出しよりも上位レベルの機能が大半を占めており、その上に構築されるアプリケーションの多くは、自然にモバイル環境に適したものになる(Longhornでアプリケーションはどう変わるのか)。

 Microsoftがフォーカスするのは次の4分野だ。

(1)モバイル用途への準備がきちんと行われること

 ユーザーがモバイルPCで必要な仕事をこなしている間、電源管理について一切、気にしなくても良いほどに、システムやアプリケーションがバッテリー動作のノートPCに対して最適化されている必要がある。

 Longhornではユーザーが意識して省電力に気を払わなくとも、バッテリー消費を最低限に抑えられるよう省電力機能をブラッシュアップ。電力設定もより簡単にする。

(2)PCが常にネットワークに接続可能にすること

 クリティカルな分野はもちろんだが、現代のITシステムでは常に情報が更新され、最新のビジネスデータにアクセスするには、ネットワークに接続された状態でなければならない。ホットスポットの増加やWANの高速化など、インフラ面は整いつつあるものの、実際に企業情報にまでたどり着くにはある程度のスキルが必要だ。

 Longhornは場面ごとに利用できるネットワークを判断し、その中で最適な経路を自動的に判断して企業ネットワークにリーチ可能にするメカニズムや、ワイヤレスネットワークの接続性を上げる仕組みが組み込まれる。

(3)ユーザーが利用したい時、データが必ず存在すること

 可能な限りネットワークへの接続経路を確保する、とはいえ、実際には生の情報にリーチできない場面も多数ある。そこでどんな場合でも(オンラインでもオフラインでも)情報を参照可能にする機能がLonghornには用意される。

 これまでにもオフラインフォルダという機能が提供されていたが、さらに高機能な情報同期の仕組みを提供し、ユーザーにネットワークへの接続状態を意識させないようになる。

(4)モバイル環境において使いやすいこと

 PCは元来、机の上に座ってデスクワークをするために設計されており、Windowsのユーザーインタフェースもそれに合致したものになっている。モバイルPC向け機能の多くは、その付け足しのようなものだ。

 LonghornではモバイルPCを通して、ユーザーの利用状況、用途などを考慮した使い勝手を再構築する。

モバイル向けユーティリティの集大成?

 これらMicrosoftがフォーカスしている4エリアは、いずれも一部のベンダーが取り組み、ある程度の成果を挙げているものだ。LonghornではそれらをOS側の機能として取り込むことにより、“ユーザーの体験”を向上させるとともに、Windows上で動作するすべてのアプリケーションが、その機能の恩恵を受けられるようにしようとしている。

[本田雅一, ITmedia ]

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