カードサイズの超薄型軽量3倍ズームデジカメ「Optio S」の後継機が早くも登場した。サイズと重量はまったく変えずに画素数を400万画素に増やしたほか、起動時間やレリーズタイムラグを短縮化して機動力をより高めている。
カードサイズ(厚さも考慮に入れれば「名刺入れサイズ」といってもよいほど)で重さ98グラムと驚異的なサイズの超薄型軽量3倍ズームデジカメ「Optio S」に、早くも後継機が誕生した。400万画素CCDを搭載した「Optio S4」である。 画素数は上がったがCCDサイズは同じなので、ボディのサイズや重量はまったく変わらない。また、画素数が増えただけでなく、Optio Sで指摘された欠点のいくつかが改良され、使い勝手もよくなった。色も若干変わってシャンパンゴールドになり、さらにレッドとブラックのカラーバリエーションも用意されている。
Optio S4の主要スペック
たった2センチのボディに3段沈胴式のレンズが納まるのは、ペンタックスが開発した「スライディングレンズシステム」のおかげである。中央のレンズ群が収納時に上にずれて重なるため、奥行きを稼ぐことができるのだ。このレンズは、35〜105ミリ相当の3倍ズーム。開放F値はF2.6〜4.8と、コンパクト機としては一般的なスペックを確保している。CCDは1/2.5インチの400万画素だ。 マクロも比較的強力である。ズーム全域で18センチまで近寄れるほか(使った感じではワイド時の方が寄れる感じではあったが)、「スーパーマクロ」モードにすると、焦点距離は63ミリ相当に固定されるが、6センチまで寄って撮影することも可能だ。 特殊な構造のレンズを使いながらも、起動時間はOptio Sよりも早くなった。本体上部にある電源ボタンを押すと、ボタンの回りが緑色に明るくなってレンズが出てくるのだが、その速度は公称で約1.6秒、実測でも2秒強で撮影可能になる。Optio Sの倍近い速さだ。これは素晴らしい。最速ではないが、最近流行の高速起動コンパクトデジカメと比べても、体感的な見劣りはさほどしない。
カメラモードでは緑色に、ボイスレコーダーモードでは赤く光る電源ボタン。わかりやすくてよいギミックだ。また、電源ボタンは右手で押しやすく、シャッターも横長で指がうまく当たる。片手でさっと操作するにはよい位置だ レリーズタイムラグも0.01秒と短い。高速処理技術についてはカシオの「EXILIM EX-Z4」と同じと考えてよいだろう。Optio S4とEXILIM EX-Z4は、いわば従兄弟か異母兄弟という関係にある。ペンタックスはレンズを、カシオは画像処理回路を、と互いに技術を提供しているためだ。 一方、気になるのは画質である。CCDサイズを変えずに画素数を増したため、画素ピッチが小さくなり感度的にはつらいはずだからだ。 まず発色だが、彩度がより高くなり、特に赤系の色が派手に出るようになった。時には赤だけが浮いて見えるほどだ。 だが、彩度向上がデメリットに働くケースもある。暗部や増感時(最高ISO200)の色ノイズが目立つのだ。ISO50時でも逆光の肌色はざらつきが感じられる。彩度はコントロールできるため、少し抑えた方がよいだろう。 オートホワイトバランスはなかなか安定しているが、色温度が低くなるとあまり追従してくれない。好みの問題もあるだろうが、もうちょっとがんばってほしいところだ。こまめにホワイトバランスを手動でセットしたくなるかもしれない。 露出はときどきアンダー目になる傾向を感じた。リアルタイムヒストグラム表示機能を持っているので、それを使って露出補正を適宜かけた方がよいだろう。 また、これは評価機個体の問題かもしれないが、時々AFを外すケースがあった。特に逆光時のAFはあてにならない。できればAFモードを駆使して撮影したいところだ。AFモードは「フォーカスモード」ボタンを使って、「ノーマル」、「マクロ」(18〜50センチ)、「スーパーマクロ」、「遠景」、「マニュアルフォーカス」、「スポットAF」(画面上の49カ所の好きな位置にAFを合わせられる)から選ぶことができる。ちなみにAFは、なかなか高速だ。 Optio S4の画質は、よい条件下ではとても鮮やかで見映えがする印象的な写真を撮ることができるが、条件が悪いと結果はいま一つという印象だった。当たった時の絵が鮮やかできれいなだけに悔やまれるところだ。
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