ROI
効率的なIT投資によるTCO削減とROI向上(1/2)

企業の生産性を飛躍的に向上させるITインフラの構築が、刻々と変化する現代社会を生き残るための条件となりつつある。そのための、TCOやROIを考慮した効率的なIT投資は重要だ。TCOを削減し、より高いROIを生み出せる高性能なビジネスノートPCの導入ポイントをご紹介する。

効率的なIT投資をしなければ、かえってTCOを押し上げてしまう

 ITへの投資をどのようなポリシーに基づいて実践すれば、最も効果的な結果が得られるかは、どの企業にとっても、そして、そこでIT部門に従事する管理者たちにとっても悩みの種だ。

 ただ、やみくもに投資を増加させてもTCO(Total Cost of Ownership)は増える一方だが、大事なことは、業務効率をいかに向上させるかであり、IT投資の内容によっては、かえってTCOを押し上げてしまうことがあるという点を注意すべきだ。

 IT投資におけるTCOは、

  • ハードウェア/ソフトウェア導入費用
  • 情報システム部門運用費用
  • エンドユーザー部門運用費用
  • システムダウンによる損害

 という4つの要素によって構成されている。ご存じの通り、PCの標準化などにより、初期導入費用はTCO全体に占める割合の1/4以下にすぎないという。

 それに対して、運用管理コストは、実に70%を占めている。したがって、この運用管理コストを少なくできるハードウェアやソフトウェアを導入することが、TCOを大幅に抑える結果に繋がるわけだ。


IT資産に対するTCOの構成例(導入1000台未満のA社の場合)

 運用管理コストを下げるためには、長期的な視点でハードウェアやソフトウェアを選ぶ必要がある。

 簡単なようだが、なかなかそれができない。目先の投資額を抑えるために、ローエンド機を導入した結果、かえって運用管理コストが上昇したり、予定していたライフサイクルを全うできないケースをあちこちで散見する。

 IT投資を考えるときに、さらに考えなければならない要素として、ROI(Return on Investment)がある。これは、投資したコストに対して、それが、どれだけ利益を生み出したかを示す指標だ。

 トータルコストのみを考えるのではなく、TCOという投資が、どれだけの利益をもたらすのかをあわせて考える必要があるわけだ。


ROI試算例

将来性を見据えたPCのライフサイクル設計が必要

 東芝は、TCOを削減し、ROIを向上させるための最も現実的で、効果の高いソリューションとして、モバイル&ワイヤレスによるフレキシブルなITインフラの構築を提案する。それが、情報ダウンタイムをなくし、企業全体や従業員一人ひとりの生産性が向上するというのが同社の主張だ。

 かつて、マイクロソフトは、Windows XPを出荷するにあたり、細かい差異こそあれ、おおむね2000年以降に出荷されたPCであれば、特に、問題なく運用できるといったアナウンスをした。日本の場合、XPの出荷は、2001年の秋で、当時のビジネスPCでは、新しいものではWindows 2000、また、かなりの企業でWindows 98 SEが使われていた。

 今年の6月で、マイクロソフトは、Windows 98のメインストリームサポートを終了したが、2000年春頃の時点で、従来機との互換性を重視して、Windows 98機を導入した場合、そのPCは、2年と少ししか、ライフサイクルを得られなかった可能性もある。バリデーション(動作確認作業)などの結果、そうでないケースがあったとしても、偶然にすぎない。メモリさえ増設できれば、まだ使えたかもしれないPCが、空きスロットがないという理由だけで、リプレースの対象になるといった、つまらない結果になっているかもしれない。


OSのサポートスケジュール表(左)とライフサイクルを考えたクライアントの選択例(右)

 つまり、導入するパソコンを選択する場合は、ライフサイクルを考慮した上で、PCを構成する要素技術のベンダー、すなわち、プロセッサやチップセット、OSのロードマップをにらみながら、減価償却や次期OSへの対応などを予測し、機種を選定しなければならない。

 初期導入コストが安いからといって、廉価なPCを購入した結果、導入後に登場した高性能なOSやアプリケーションに対応できず、減価償却を終えないうちに、リプレースしなければならないケースも出てくることもある。

[山田祥平, ITmedia ]

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