> ニュース 2003年11月11日 08:28 PM 更新

きょうはRADEON 9100 IGPを搭載したMSI「RS3M」で遊んでみた(1/2)

Pentium 4対応チップセットの中で最後発となるATIのRADEON 9100 IGP。発表時はサンプルボードが多くのマザーボードベンダーから発表されていたが、実際に市販されているのはまだ少ない。ようやく3番めの製品として登場するのがMSIの「RS3M」なのだ。


RS3M

RADEON 9100 IGPチップセットを搭載したオールインワンマザー

 RS3Mは、microATXフォームの製品で、5.1チャネルサウンド、100BASE-TX LANやIEEE 1394などの機能をオンボードで搭載した、オールインワンマザーボードだ。

 RADEON 9100 IGP採用ということで、当然ながらグラフィック機能はチップセットに内蔵。メモリスロットは、DDR DIMMが2本と少ないながら、最大2Gバイトまでのメモリを搭載できる。今では必須となったデュアルチャネルのメモリアクセスに対応しており、スペックはIntel 865Gチップセットに対抗できる能力を持っている。

 いろいろと悩んだらしいサウスブリッジには、同じATIの「IXP 150」を採用。IXP 200からLAN機能が省かれたモデルだが、RS3MではRealtekのイーサネットコントローラRTL8100Cを搭載している。また、IEEE 1394も、VIAのコントローラVT6307を搭載することによって対応している。


RADEON 9100 IGP


IXP150


サポートする機能が少ないIXP150であるが、オンボードチップを実装することで、LANもIEEE 1394もカバーできる


マザーボードの取り付けでけっこう苦労するコネクタピン。RS3Mでは色分けしてあるので、マニュアルを見て悩まなくても作業が可能

RADEON 9200クラスのチップセット内蔵グラフィック

 これまで、Pentium 4で使えるチップセット内蔵型グラフィックコアには、nForce2のようなパワフルなものがなかった。たしかに、最新の3D対応ビデオカードがなくても、オフィスソフトくらいなら十分使えるものの、ちょっとした3Dゲームとなるともうお手上げというものばかりだったのだ。

 RADEON 9100 IGPに内蔵されているグラフィックコアは、ATI RADEON 9x00シリーズではバリュー向けのRADEON 9200レベル。RADEON 9700やGeForce FX 5900などのハイエンドクラスと比較するべきではないが、Direct X 8.1への対応やハードウェアT&Lの搭載など、1世代前のメインストリームレベルの性能は十分に持っている。

今のところは「ちょっとバランスの悪い」BIOS設定

 RS3MのBIOS設定は、統合型チップセット搭載のマザーボードとしてはかなり充実したチューニング項目を用意している。FSBの設定は、デフォルトクロック+32MHzまで可能、FSB 800MHzのCPUを使用する場合は、システムクロックを最大232MHzまで設定できる。

 メモリレイテンシの設定では、各パラメータを1クロックから設定可能だ。一般的には2クロック、もしくは2.5クロックからの設定となるため、1クロックが実用的かどうかは別にとして、メモリ性能を試すうえで興味深い設定が可能になる。

 メモリクロックも、FSBの設定と独立して400MHzまで設定可能。メモリ電圧やAGP電圧の調整などもできるようになっている。

 ただし、このように細かなチューニング項目がありながら、CPUのコア電圧を調整する項目がないというのは残念だ。安全性を重視した結果なのかも知れないが、オーバークロック設定ではよく使われることを考えると、用意されているほかのチューニング項目の細かさと比べ、少しバランスを欠いているようにも感じられる。

 チューニング以外で目新しいのが、IGPの温度表示機能である。これまでのマザーボードでは、CPU温度とシステム温度の表示が一般的で、チップセットの温度を表示するものはなかった。内蔵するグラフィックコアが高性能で発熱も大きいことを考えると、温度表示はユーザーにとって有効な機能と言える。


RS3MのAdvanced Chipset Features BIOS画面


AGP/IGP電圧とメモリバス電圧を設定できるが、なぜかCPU駆動電圧だけは設定メニューが用意されていない

Intel 865ファミリーにわずかにおよばないシステムパフォーマンスだが、グラフィックパフォーマンスは圧倒的リード

 先にも述べているように、RS3Mが搭載するRADEON 9100 IGPは、FSB 800MHzに対応、デュアルチャネルのメモリアクセスなど、高速化技術も取り入れたATIの意欲作。スペック的にはIntel 865Gがライバルとなるが、実際のパフォーマンスでどこまでIntel 865ファミリーに迫れるかが気になるところだ。

[寺崎基生, ITmedia ]

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