原点に戻った505――バイオノート505エクストリーム PCG-X505/P(2/4)
このような超薄型・軽量ボディを実現するために、非常に高度な技術が駆使されている。その最たる部分が、マシンの心臓部であるメイン基板だ。X505のメイン基板は、実にMDカセットとほぼ同じ面積しかない。その中に、CPU、チップセット、メモリなど、PCとして必要な機能の全てが実装されているのである。 X505のメイン基板は、10層という非常に多層の基板を採用している。そして、「ブラインドビア」と呼ばれる、基板の途中の層間を利用して接続する手法を取り入れたり、部品実装層を用意するなどの技術によって、配線や部品実装の高密度化を実現した。基板片面での部品専有面積は実に約90%にもなる。さらに、抵抗やコンデンサー、トランジスタなどに超小型のものを利用することによって、MDカセットサイズにPCとして必要な機能を詰め込むことが可能になった。
「ブラインドビア」の模式図。基板の途中の層間を利用して接続できるので、通常より多重の回路が形成できる メイン基板はキーボード奥の本体中央部分に置かれている。その左にはハードディスク、右にはPCカードスロットが配置され、キーボード部分にはキーボード以外のパーツは一切配置されない。これによって、手前の最薄部で9.7ミリという非常に薄いボディが実現されているわけだ。 また、メイン基板部分には空冷ファンやヒートシンクは使われておらず、CPUなどの発熱は、熱伝導シートを利用して本体に伝えて発散するような構造となっている。そのため、静寂性も非常に高い。本体表面(基板実装部分の本体表裏)の発熱はかなりあるが、キーボードがメイン基板の手前に配置されていることもあり、操作時でも発熱部分に手があたることはなく、発熱が気になることはあまりないだろう。
キーボード上部のスペースに、マザーボードが納められている。この部分の発熱はかなりあるものの、キーボード操作時にはそれほど発熱は気にならないだろう キーボードは、見た目では電卓のボタンのような形状となっているが、しっかりしたクリック感もあり、タッチは一般的なキーボードとほとんど変わらない。キーピッチは17ミリ、ストローク1.5ミリと、キーボードの操作性は見た目以上に高い。 キーボード手前にパームレストとなるスペースが用意されていないものの、デスク上に置いた場合には、キーボード手前の厚さは5ミリもなく、デスク自体をパームレストとして利用できる。そのため、本体手前にキーボードが配置されているとしても、ユーザビリティはほとんど損なわれていない。ただし、電車の中など、膝の上に本体を置いて使うのはかなり難しい。「移動先の机の上で利用する」というモバイルスタイルになるだろう。
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