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第2回:「危険なジョージ」じゃ困るんですけど……(1/2)

【国内記事】 2001年7月17日更新

 このサイトの名前は「Broadband」である。今さら何を言ってるのかと思われるかもしれないが,今回は,この「ブロードバンド」という言葉について考えるところからスタートしてみたい。

ブロードバンドとは? 走り続ける水戸泉である

 ブロードバンドとは,直訳すると「広い帯域」ということになる。「広い」の代わりに「太い」といってもいいのだが,いずれにせよ,「速い」ではなく,「一度に多くの情報を運搬できる」という意味しかない。以前,MacWIREにも書いたのだが,水戸泉と松田聖子が100m競争して同タイムだったとしたら,水戸泉のほうが,「一度に多くの肉を運搬している」ことにはなるが,誰も「水戸泉のほうが速い」とは言わないという話である(なんでこの2人を例として出したのか,未だに思い出せない)。

 ……という直訳の意味とは別に,ブロードバンドという言葉には,もう1つ「裏の意味」が隠されている。それは「常時接続」である。いや,もともとブロードバンドという言葉には「常時」という意味はないのだが,大抵の場合,ADSLにせよ,CATVにせよ,いわゆる「常時接続環境」であり,一般的には「ブロードバンドは常時接続という意味を含んでいる」ワケである。そう,ちょうど水戸泉が一年中走り続けているところを想像していただければ……(もうエエ!)。そして,場合によっては,「帯域が広い」ということよりも「常時である」点に重きが置かれるのだ。

「でも,『フレッツISDN』みたいに,ブロードバンドじゃない常時接続もあるでしょ?」って? 確かにその通り。個人的には「ダイアルアップで接続する」という行為のかったるさは許し難いが,それで十分に常時接続に活用できる技術であろう。なので,「常時接続できるからといってブロードバンドではない」というのも,また事実である。

ストリーミングでは常時性のほうが大事?

 さて,偉そうなことを言っている私のインターネット接続環境だが,家ではADSL歴7カ月である。普段,それを使って何をしているかというと,

  1. Webのブラウジング
  2. ストリーミングの鑑賞
  3. バイナリのダウンロード/アップロード
  4. ひっきりなしにくだらないメールの送受信
といったところである。すべてにおいて「ADSLにして良かった」と感じているが,「どういう点が,何をする時に良かったのか?」と考えてみると,「帯域が広くて(速くて)よかった」というのが3,「常時でよかった」が1,2,4である。

 2のストリーミングが速度じゃないというのは意外でしょ? 普通は「やっぱ,ブロードバンドにしたらストリーミングがきちんと見られていいよなー」ということで,とにかく大きな動画を見たがると思うでしょ?

 ところが,慣れてくると,あまりクオリティには感動しなくなってくるのである。そればかりか,「他の作業もしたいから,ちっちゃい画像で見えればいいや」と思うことが多くなったのだ。これはどうしてだろうか?

パソコンはテレビじゃないゾ!

 原因を考えると,そこには3つの要因があるのではないかと思う。

 まず第一に,私が見ているコンテンツの種類である。私がストリーミングで何を見ているのかというと,

  1. ニュース
  2. スピーチ中継
である。本当はスポーツを見たいのだが,見たいコンテンツがあまりない。スポーツやミュージックビデオや映画をメインに見るのであれば,画像にもそれなりにこだわるのに(水戸泉が塩を投げるところとか,大画面で見たいのに)。その点,ニュース系であれば,最低,音声さえ聞こえればなんとか鳴なる。つまり,「何を見るか(何が放送されているか)」によって求められるクオリティが変わってくるというのがポイントである。

 第二の要因は,コンテンツをパソコンという機械で見ているということにある。パソコンは,テレビのように距離を置いてくつろいで見るための道具ではない。なので,ガツガツとモニターに向かい,メモをとったり,他の作業をしながら見ることが多いのだ。であれば,画面を占有しないほうが他の作業がしやすいだろう。もし,テレビでストリーミングを受信できるのであれば,きっと画質を追求したくなるハズだ。デバイスによって見たいものは変わってくるのである。

 そして最後に,受信状況が安定しないということがある。ネットワークのどこかが混んでいれば,しっかりと帯域が確保できず,ブロードバンド用コンテンツが再生不能になってしまうことがある。逆にナローバンド用のコンテンツのほうがスムーズに再生できる。これはインフラの問題である。

 これらの「コンテンツ」「デバイス」「インフラ」という3つの要因によって,私は「ある程度,見れればいいや」と考えるようになっていったワケである。

 まあ,その「ある程度」のレベルは,コンテンツ制作側の力量やら再生側の感性やらで変わってくるものだが,私の感覚では,ニュース系だったら160×120ピクセルで100Kビット/秒あたりで十分すぎるクオリティが出せるように思える。逆に,500Kビット/秒を超えるコンテンツとなると,ネットワーク上の様々なボトルネックによって再生そのものが難しくなることが多い(それを解消するためのソリューションもいろいろとある)。

 であるから,私は基本的にADSL環境に満足している。それ以上の帯域幅を求めるよりは,「常時接続できちんと見られる」ことのほうが重要だと考えている。

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