Streaming Now!〜流れをつかめ!
第2回:「危険なジョージ」じゃ困るんですけど……(2/2)

おいおい,切れたら「常時」じゃねーゾ!

 ところが,だ。常時接続のサービスにもトラブルは起きる。私が使っているADSLサービスにおいても,数分程度のトラブルがここ2カ月,多発している。短い時間ではあるが,それがたまたまストリーミング再生中に発生しようものなら問題だ。「金返せ!」と言いたくなる。

 だってそうでしょ? MACWORLD Expoのスティーブ・ジョブズのスピーチを見るためにブロードバンドにしたのに,その再生中に途切れたら,どうしてくれんのよ? そんなの常時接続じゃないでしょ?

 で,そういったトラブルがあることを考えると,さらに厄介なのは,ストリーミング放送に対する課金である。「ネット上での課金コンサート」の類いの有料コンテンツが増えるのは,おおいに結構である。ただ,何らかのトラブルがあって見られなかった場合,ユーザーは誰に文句を言えばいいのだろうか?

 まあ,配信側は,コンテンツを販売する時点で,おそらく「受信側に問題があって再生できない場合でも返金しません」くらいの条件は提示しているのだろう。それはもっともな話である。

 しかし,だからといって,見られなかったお客さんに対して,トラブったISPが返金するワケもない。結果としてユーザーは損をする。となると,やっぱり配信側も課金していいものかどうか,考えてしまうだろう。そういった意味で,ストリーミングをテレビ並みのビジネスにするのはなかなかに難しい。だいたい,テレビであれば,今どき「見えねーゾ!」というトラブルは起きないのだから……。

 ただ,よくよく考えてみれば,テレビも,私が子供の頃は,よく「しばらくおまちください」という画面を見せられたものだ。最近ではそれがほとんどなくなったことを考えると,ストリーミング技術/インターネット技術もそういう進化を遂げると考えてもよいのだろうか? そう願っているのだが……。

 そのインフラがうまく進化していくのであれば,あとはコンテンツとデバイスを整備していくことが重要になっていくはずだ。これらの点については,今後,皆が知恵を絞って大いに考えていく必要があるだろう。

 なんて大きな話をしつつ,今は,「とりあえずジョブズの基調講演が無事に再生できることだけを願っている,小市民の私であった。

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[姉歯康ITmedia]

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