Big Pipe:ブロードバンドの勝ち組と負け組(1/2)

【国内記事】 2001年7月27日更新

 ブロードバンドに関して,よく取り沙汰される話題に『ブロードバンドとは果たして儲かるモノなのか?』ということがある。結論から言えば,儲かるのはブロードバンドの勝ち組である一部の参入者であり,ほかの多くは失敗して負け組に属することになるだろう。

 では,そもそもブロードバンドの勝ち組と負け組とは何だろうか? 図1で示しているように,勝ち組とは大規模でしかも収益をあげている企業もしくは事業のことだ。その一方で,負け組とは顧客数も確保できず,赤字を垂れ流し続けている企業・事業だろう。ブロードバンド事業者の大半はここに留まる。そこから抜け出し,参入企業が勝ち組になるためには2つの方向性がある。

 1つはターゲットを明確化し,ニッチャーとして収益を確保する方法である。自社ブランド力を有する企業や,ニッチ型コンテンツの配信事業者などが,こうした事業展開を進めるだろう。ただし,ニッチであるが故にマス化することはターゲット戦略に反するため,マーケットリーダーとしての勝ち組になることは難しい。そこで参入企業は,もう1つの道を選択する。それが“賭け組”への道である。

賭け組から勝ち組へ

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 賭け組は,赤字覚悟でまず顧客数を確保することを前提とする。ある程度顧客数を獲得した上で,収益確保に走る訳だ。つまり,ブロードバンド事業のデファクトスタンダードになるべく,当初はペネトレーションするために赤字覚悟で商品・サービスの普及を積極的に進め,その数を基盤に収益を確保,勝ち組に移行するというものである。ブロードバンド時代の当初は,勝ち組となるために,この賭け組が多く現れてくるだろう。だが,電子商取引事業で積極的であった投資も冷え込み,まだその傷も癒えていない状況でブロードバンドに投資する企業はどのくらいあるのだろうか。ここ最近のブロードバンド参入企業の株価の下落は,正しくそれを証明している。また,多くの企業が損益分岐点を引き,それ以上確保すれば収益を確保できると信じているが,市場競争は動的であるが故に,損益分岐点は直ぐに厳しい方向に修正される。その結果,いつまでも賭け組に留まる企業も多いことだろう。とくに,ブランド力の強化においてマーケティングコストがかさむため,収益確保は難しい。B2CのECベンチャーの多くがマーケティングコストで泣いたのと同じである。

 では,この賭け組は事業規模を確保した上で,一体どのように儲けるのであろうか。

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