光アクセス時代の標準を目指すインテルの「RGW」

最大1Gbpsのスループットに対応するインテルの「Residential Gateway」。つくば市のインテル本社にあるIXAコンピタンス・センタでRGWの動作デモンストレーションを見た。

【国内記事】 2001年9月14日更新

 NTT東日本や日本HPとインテルが「Bフレッツ」に向けたFTTHコンテンツ配信トライアル(昨日の記事を参照)を発表したとき,会場の片隅に展示されていた青い箱があった。インテルが開発中の「Residential Gateway」(RGW)だ。光アクセス時代の標準アプライアンスを目指すこのプラットフォームは,既にプロトタイプが動作している状態。つくば市にあるインテル本社でRGWのデモンストレーションを見せてもらった。

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インテルが開発中の「Residential Gateway」

 RGWの機能を端的に説明するなら,進化した家庭用のプロ―ドバンドルータといったところ。ただし,家庭内ネットワークとインターネットをつなぐゲートウェイとして利用するため,大幅に機能は拡張されている。CPUに組み込み用Celeronの500M〜600MHzを使い,Linuxが走るという完全なPCアーキテクチャで,HDDも内蔵。スループットは100Mbpsから1Gbpsと,既存のブロードバンドルータが3〜10Mbps程度であるのに比べると大きな差がある。100Mbps FTTHどころか,その先のGigabit環境をも視野に入れたスペックだ。

 デモンストレーションでは,RGWに1台のデスクトップと3台のノートPC(そのうち1台はIEEE 802.11b無線LANのAP経由で接続)をつなぎ,デスクトップで大容量のデータをFTPでダウンロードしながら,2台のノートPCでMPEG2とRealVideoを再生してみせた。ビデオデータはそれぞれ6Mbps。これにVoIPを加え,合計90Mbps程度のパケットを同時に処理している。QoSの機能はないが,回線に余裕があれば,その必要もないらしい。

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デモンストレーションの模式図

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デモンストレーション風景。ビデオ再生はスムーズだ

 高いスループットとともに,セキュリティの確保とEoU(Ease of Use)に注力しているのもRGWの特徴。ユニバーサルプラグ&プレイに対応し,Windows XP(英語版RC2)のPCに接続すると自動的に認識した。

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Network Connectionsにアイコンが表示される。ステータス画面にはスループットも

 サーバ設置の際に必要になるポートフォワーディング機能や,オンラインゲームなどを楽しむときに必要なDMZ機能など,これまでなら事前の設定が必要だった項目もすべて自動だ(各機能についてはこちらを参照)。クライアントPC側でアプリケーションを立ち上げれば,RGWは必要なポートを開け,必要なパケットを送り出してくれる。このほか,VoIPのゲートウェイやファイアウォール機能も実装済みだ。

 インテルでは,RGWのリファレンスデザインをOEMベンダーに供給する方針で,既にいくつかの日本企業と交渉を進めているという。同社IXAコンピタンス・センタの友部昭夫氏は,「機能とパフォーマンスを検証し,技術的な課題を洗い出している。今はまだ100Mbpsの高速アクセスの環境はないが,将来は標準的なアプライアンスにしたい」という。なお,気になる価格は「OEMベンダーによって実装する機能が異なるため一概には言えないが,市場に出るときには5万円を切らないと受け入れられないだろう」(同社)。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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