WIS,東急沿線に無線アクセスサービスを拡充

WISが今週2度目となる発表会を催した。今回は東京急行電鉄の運営するISP,246-netで月額1980円のサービスを提供。あわせて線路に敷設されている光ファイバーをバックボーンとして利用するというものだ。

【国内記事】 2001年9月27日更新

 先日,NTT-MEとの提携を発表したばかりのワイヤレスインターネットサービス(WIS)だが,今度は東京急行電鉄と手を組み,同社が運営する246-netに無線インターネットアクセスサービスを提供することを明らかにした。やはり単なる回線提供にはとどまらず,東急線の線路に敷設された光ファイバーケーブルのバックボーン利用を含む広範囲の業務提携を結んでいる。

「既設の光ファイバーを有効活用するエポックメイキングな提携だ。今後は,こうした手段を使わずにブロードバンド事業を構築するのは難しくなるだろう」(WISの大石智一社長)。

左からWISの大石社長,東急の野本室長,コーラスの山田社長

 WISは,ビルやマンションの屋上に無線基地局を設置し,周辺住宅地域に最大2Mbps(上り下り各1Mbps)のインターネットアクセスを提供する。伝送距離を半径800メートルに延ばした無線LANは,WISの親会社でもあるコーラスの開発したもの。発表会に同席したコーラスの山田英二社長は「開発に7年をかけた自信作。ADSLやFTTHといった手段を使えない地域にもブロードバンドを広げ,日本の情報格差を解消する」と胸をはった。

 WISネットでは,ビルに光ファイバーを引き込めない場合でも,近隣の基地局から高速無線ブリッジを使って基地局を設置することができる。この無線ブリッジは,1区間あたり約5キロを伝送する能力を持ち,これを4つつなぐことで,最大20キロまでのバックボーン延長が可能だ。今回の提携により,「東急線の駅にブリッジを置き,マイクロセル(1つの基地局がサポートする地域)を拡大する」という目算もある。

 新サービスの名称は,「WIS-net Powered by 246-net」。10月1日にWISのWebサイトで申込受付を開始し,11月1日よりサービスを行う。サービス内容や価格は,前回と同じだ(9月25日の記事を参照)。対象エリアは,東急田園都市線と東急東横線沿いの川崎市高津区,宮前区,中原区,横浜市の港北区,都築区,青葉区,緑区など。

エリア展開図

セミモバイル構想

 今回の発表会では,前回コンセプトのみ明らかにされた「セミモバイル構想」とVoIPを使った通話サービスについても詳細を聞くことができた。

 セミモバイルは,駅構内や近隣のカフェなどにIEEE 802.11b準拠の無線LANアクセスポイントを設置し,ホットスポットとして利用できるというもの。固定サービスと認証システムを共有することで,ユーザーはPCの設定を変更することなく,外出先でもインターネットを利用できる。大石社長は,「認証システムの開発は終了しており,近日中に発表する」としている。

セミモバイル構想の概要

 一方のVoIPサービスは,NTT-MEの提供している「WAKWAKコール」のシステムを使う方向で検討中だ。このため,WAKWAKなど他ISPの会員をはじめ,一般加入者電話との通話も可能になる見込み。「無線アクセスなら,ADSLのように電話が使える状況でなくてもいい。つまり,高価な固定電話の権利を購入する必要はなく,また月々の(電話の)基本料金もない」(大石氏)。

 これらの付加サービスに関して同氏は,既に「目処はたっている状態であり,タイミングと料金設定を検討している」と話している。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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