Big Pipe:新しいアプリから立ち上がるブロードバンドコンテンツ市場
今回のテーマはアプリケーション。まずは,ブロードバンドに関するアプリケーションの分類を見ていただきたい。 【ブロードバンドアプリケーションの分類】
ブロードバンド市場は未だ黎明期にあるため,インフラ先行でブロードバンドを活用したアプリケーションが多いとは言い難い状況だ。今後,一般家庭でPC以外のテレビや電話,ゲームコンソールなどがブロードバンドに接続され,ビジネス環境のブロードバンド化も進み,さらに学校や自治体のインターネット活用が促進されれば,上記のアプリケーションが拡大する可能性は高い。 7つのアプリケーションとは,既存コンテンツの再利用,新規・独自コンテンツ配信ビジネス,ホームネットワークなどの生活サービス,ECや広告サービス,Peer to Peerのコミュニケーションやコミュニティサービス,ASP・ストレージサービスなどのユーテリィティサービス,企業向けコンテンツ,政府・学校・医療等の公共機関サービスなどだ。 <コンテンツ> <生活サービス> <EC・広告> <コミュニケーション> <コミュニティ> <ユーテリティ> <企業向けコンテンツ> <公共機関サービス> では,各アプリケーションでの利用者はどのくらいに達するのであろうか? DSE戦略マーケティング研究所では図2のように予測した。 まずブロードバンド利用者数に関してだが,家庭向けブロードバンド回線加入世帯数から,家庭内での利用者数を予測した。また移動体環境は第3世代の携帯電話利用者数,企業向けはイーサネット接続型や企業向けADSL,FTTH,FWAなどのインターネット接続利用者数を合計したものである。その合計値は延べ人数になるため,複数利用を調整し,実際の利用者数を分析している。これに,本来ならば無線インターネットや衛星を利用した車のブロードバンド利用者が入るが,ここでは数値予測が難しいため,今回は省略させて頂いた。 2005年時点でのコンテンツ市場は,音楽配信利用者数が1400万人,カラオケ配信サービスが550万人,オンラインゲーム配信が900万人,電子出版・電子出版利用者数は1100万人,コンテンツを利用したコミュニケーション利用者数は1550万人,家庭内教育コンテンツ市場は260万人である。実際1コンテンツの利用時間や利用金額が異なるため,金額ベースでは異なるものの思われる。 生活サービス市場では,ホームネットワークとセキュリティ,オンラインバンキングが2005年時点でほぼ750〜900万人規模の利用者になると予測される。 電子商取引は2005年時点でBtoBが1900万人,BtoCは2200万人である。 ブロードバンド広告市場,つまり視聴数は,広告ベースの配信ビジネスするプロバイダーによって決まるが,このビジネスはYahoo! BBを始めほかのISPも展開するため,視聴は2005年時点で3200万人と最も多くなるだろう。 コミュニケーション市場ではVoIPが当たり前の環境となり,ビジネス分野では2005年時点で3000万人,生活分野では1900万人が利用してくるものと思われる。ユーテリティ市場ではASP市場が中心となり,2005年で企業向けは1460万人,家庭向けは750万人にもなる。家庭向けオンラインストレージは音声ビデオレター市場の成長とともに増加し,ビデオレター利用者の約40%,550万人が利用するものと思われる。 企業コンテンツ市場は,社員教育の利用が2005年で1200万人,企業情報の視聴数は3000万人,人材募集関連で2800万人が視聴するものと思われる。 公共機関サービスは電子政府利用者が2005年で1850万人,電子医療サービスが450万人,電子教育が870万人の利用となる。 このように見てみると利用が多いのはコミュニケーション市場と企業コンテンツ市場である。コンテンツ市場は既存コンテンツ利用者(DVDなどのパッケージ利用者やテレビ視聴者)からの代替であるため,利用者数が急激に拡大するものと思えない。 むしろ,動画を利用したコミュニケーションや企業コンテンツなどの新規ビジネスが早く立ち上がり,それを視聴,利用するユーザーが増加するものと思われる。ブロードバンド市場のアプリケーション市場は,これらのコンテンツから立ち上がってくるのかもしれない。 [根本昌彦,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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