Big Pipe:数字でみる“ブロードバンドユーザーの姿”DSE戦略マーケティング研究所が実施したアンケート調査をもとに,ブロードバンドユーザーの動向を探る。メディアに対する消費行動や生活状況から分かったことは?
DSE戦略マーケティング研究所では,全国規模で2001年11月〜2002年1月上旬にかけて,無作為抽出した1万6098人を対象にアンケート調査を実施した。目的は,ブロードバンドアクセス回線の普及率と,ユーザーの傾向を把握すること。今回は,その調査結果をもとに,現在のブロードバンドユーザーがどのような人たちなのか,探ってみたい。 調査ではまず,12月末時点で全体の5.7%にあたる924人が既にブロードバンドユーザーであるという結果が出た。また,潜在需要であるナローバンドユーザーおよび非ネットユーザーに対しては,ブロードバンドサービス加入の意志とその時期をヒアリングし,それを予測値に反映した。(下表)
2002年3月までの加入見込み(3カ月以内に加入する意志のある人)を加えると,3月時点の普及率は8.2%と予測できる。同様に,2002年12月では14.7%,2004年12月では31.7%,2006年12月では47.3%がブロードバンドに加入する計算となった。 この結果は,以前,弊社が予測したブロードバンドアクセス回線普及予測と比較して,格段に早いスピードだ。消費者のブロードバンドに対する高い需要が伺える。 また,この数値に総世帯数4653.4万世帯(静的数値とする)を掛け合わせ,ブロードバンド加入世帯数の予測を行なうと,2002年12月には664万世帯,2003年12月には1065.5万世帯が加入するものと予測できる。つまり,今後2年間で,ブロードバンドは1000万世帯を突破する可能性が高い。
ナローバンドユーザーはブロードバンド予備軍?また今回の調査ではヒアリング調査の他にブロードバンドユーザー924名,ナローバンドユーザー1368名,非ネットユーザー712名の計3004名に対して,訪問留置方式でメディアに対する消費行動,生活実態などの調査を行なった。 その結果,以下のような傾向が見えてきた。 1. 男女の構成比率はブロードバンドおよびナローバンドユーザーで格差はほとんどない(現時点でブロードバンドユーザーが男性優位ではないことが窺える)。 2. 世代別にみてもブロードバンドおよびナローバンドユーザーに違いはない。 3. 世帯年収に関しては,ブロードバンドユーザーの方がナローバンドに比べて高めであることがわかった。 4. 住居形態では,ブロードバンドユーザーは戸建て(持ち家および借家)が多く,アパート,マンションが少ない。ナローバンドユーザーは,マンション(賃貸,分譲)が多いという傾向がみられる。この点は多分にマンションの設備的な要因が絡んでいるものと思われる。光収容のためにADSLを導入できない,あるいは管理組合の同意を得られずに光ファイバーやCATVも引けない。ナローバンドユーザーが集合住宅を好むわけではなく,集合住宅のためにブロードバンドへ移行しにくい状況が背景にある。 5. 月額の世帯情報消費支出(1世帯が通信・放送・新聞・雑誌などに使う金額)の計は,ナローバンドユーザーの方が高い傾向が顕著に現れた。ナローバンドユーザーには,雑誌,音楽,ビデオなど,さまざまなコンテンツを購入している人が多く,携帯電話代も高い。また家族構成も多めだった。
このようにみていくと,ブロードバンドとナローバンドのユーザー特性は,情報消費支出以外に大きく異なる所はない。今のところ,ブロードバンドユーザーには「持ち家世帯」「高所得世帯」といった偏りが見られるが,今後,マンションにもブロードバンドインフラが広がれば,ナローバンドユーザーの状況も変わってくる。情報消費支出が高いだけに,ブロードバンドに接続してリッチコンテンツを購入するようになる可能性は高いだろう。
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