「ホームネットワーク&情報家電・ベンチャー展」の注目は?

JEITA主催の「ホームネットワーク&情報家電・ベンチャー展」が開幕した。携帯電話から家電をコントロールできるコンパクトなLinuxサーバ「インテリジェント・ホームサーバ」など,注目の展示品を紹介。

【国内記事】 2002年2月12日更新

 電子情報技術産業協会(JEITA)が主催する「ホームネットワーク&情報家電・ベンチャー展」が東京・新宿の工学院大学キャンパスで開幕した。先日公開された「JEITAハウス」と同様,経済産業省の「住宅分野の情報システム共通基盤整備推進事業」の成果発表を兼ねた展示会だ。

 展示会場には,中央のプレゼンテーションスペースを取り巻くように,50余のブースがある。その多くが,電子錠や宅内の遠隔監視システムなど,ホームセキュリティ/ホームオートメーションをテーマにしたものだ。

赤外線フラワーって何だ?

 トゥウェルブ・シー・ソリューションズ,追坂電子機器,マクロデータの3社は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発事業で受託した「インテリジェント・ホームサーバ」を共同出展している。


トゥウェルブ・シー・ソリューションズのロゴが入ったサーバ本体。完全なモックアップで,中身は入っていなかった

 インテリジェント・ホームサーバは,携帯電話から家電をコントロールできるコンパクトなLinuxサーバだ。展示品は残念ながらモックアップだったが,計画では386クラスのCPUを使い,ファンレス・ディスクレスの静音設計になる予定。これにトゥウェルブ・シーのファイアウォール技術などを組み合わせ,一般家庭にもプラグ&プレイで導入できるホームセキュリティソリューションを構築するのが目的だ。

 標準でファイアウォール,ルータ,Webサーバなどの機能を持つが,「2.5インチHDDを内蔵するスペースが用意してあるため,メールサーバやファイルサーバに拡張することも可能だ」(追坂電子機器技術営業担当の内田康弘氏)という。

 家電は,携帯電話からホームサーバのWebインタフェースに接続して操作する。本体にRS-232CとUSBのインタフェースを装備しており,ここに家電制御用の赤外線コントローラを接続する仕組みだ。

 追坂電子機器が開発した赤外線コントロールユニットは3種類。高い場所に設置して放射状に赤外線を送出できる「赤外線ボール」,電源コンセントに挿す「赤外線コンセント」のほか,造花の花弁に赤外線インタフェースを仕込んだユニークな「赤外線フラワー」が展示されていた。


左の「赤外線コンセント」は,内蔵された電流センサーや温度センサーによって遠隔操作が正常に行われたかどうかを赤外線ボールにフィードバックする機能がある。中央が「赤外線ボール」,右が部屋の雰囲気に合わせて設置できる「赤外線フラワー」


赤外線フラワーのアップ。花弁の中に赤外線インタフェースが見える

 内田氏によると,3社は2004年以降の事業化を目指して準備を進めているという。ただし,当初からフル機能のホームセキュリティを実現するのは難しいため,「まず,PC用ソフトと組み合わせた簡易ホームオートメーションシステムとして,来年からWeb販売を行う」。価格は10万円を切る程度になる見込みだという。


PC用ソフトの画面。ここで赤外線対応の家電を集中制御する

Webカメラは必須?

 コブラディフェンスのホームセキュリティシステム「ナイスワン」は,ドアセンサーや人感センサーと連携し,異常があった場合に特定の電話番号(最大5カ所)へ通報するシステムだ。同社は,これにWebカメラを統合しようとしている。


画面左のコントローラ本体,ドア・窓センサー,人感センサーなどがセットになった「ナイスワン基本セット」が12万円。

 Webサーバ内蔵の「CryptoCam」を併設しておけば,通報を受けたときに宅内の様子が確認できる。ただし,CryptoCamを使うには,登録制のクリプトサーバ(専用の認証サーバ)に登録するか,もしくはユーザー自身がクリプトサーバを購入する必要がある。

 その隣には,自動車向けの監視システムが展示されていた。こちらは,ルームミラー型の携帯電話ハンズフリーキットとWebカメラ「IDNC10」を組み合わせ,車内の様子を遠隔監視するというもの。


「搭載」といっても,つなげるのは電源コードだけだったりする
車載システムに採用された「IDNC10」(下)。背面にPCカードスロットがあり,ここにPHSカードなどを挿して利用する。

電灯線通信はまだ高い?


電灯線を使ったホームネットワークシステムのデモ

 パワーネットコムは,電灯線を使ったホームネットワークシステムを展示中だ。同社の電力線モデム「BPLM-100B」を複数台使えば,PCのシリアルポート(RS-232C)に接続してイーサネット互換のネットワークを構築できる。米Adaptive networkのチップを採用しており,100Kbps程度のスピードが出る。1台3万5000円で販売中だ。


インタフェースはシリアルのみ

 ホームネットワークで利用するにはスピード面に不満が残るものの,同社は総務省が検討中の規制緩和を目指して新製品の開発に取り組んでいる。「Adaptive Networkは,最大20Mbps程度のスピードを実現する新チップを開発している。国内の規制緩和が実現すれば,タイミングを合わせて製品を投入する」(同社)。

 「ホームネットワーク&情報家電・ベンチャー展」の会期は,13日水曜日まで。入場は無料。


このほか,北野共生システムプロジェクトのヒューマノイド「Pino」も登場した

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関連リンク
▼ 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
▼ 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

[芹澤隆徳,ITmedia]

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