ニュース 2002年7月5日 04:34 PM 更新

NetWorld+Interop、このデモに注目!

IPv6ピアノ、分散コンピューティング、IPコントロールカー……。NetWorld+Interop 2002 Tokyoでは、さまざまなデモが行われていた

 幕張で開催された「NetWorld+Interop 2002 Tokyo」で、目をひいたデモをいくつか紹介しよう。

 NTT東日本のブースでは、ネットワークに接続された「IPv6ピアノ」の実演デモを行っていた。大手町ビル内にあるもう一台のピアノとつながっており、そこでの演奏とリアルタイムに同期して、会場の自動演奏付き電子ピアノが鳴る仕組み。


ピアノのMIDIインタフェースと、ノートPCのUSBインタフェースをつないでネットワークに接続している。もちろん将来的には、ピアノ自身にIPv6アドレスをふる考えだ

 どの鍵盤を叩いたか、打鍵の強弱などの演奏情報は、MIDIデータとして受信する。別途、WebカメラによりIPテレビ電話の通信を行うことで、“遠隔ピアノレッスン”を実現できるという趣向。デモでは大手町から海浜幕張までを、100Mbpsの回線で接続した。

 ヤマハの説明員によれば、同様のシステムはこれまでにも、ISDNによって構築された事例がある。「ピアノ講師の研修会などで利用されている。今後は、ブロードバンドネットワークで一般ユーザーを対象にしたサービスもありうると考えている」(ヤマハ説明員)。

 NTT東日本によれば、このシステムはピアノバーへの演奏データ配信などにも利用できる。「将来的には、海外の著名演奏家のレッスン・講座も受講可能になる」(NTT東日本)。


ピアノはヤマハ製「クラビノーバ CVP-209」。液晶画面もついており、「本当はここにIPテレビ電話の映像を表示できるといいのだが……」(説明員)

ShowNet Cafeでは分散コンピューティングのデモ

 展示場の一角には、会場内ネットワーク「ShowNet」を来場客にも自由に利用してもらうスペース「ShowNet Cafe」が設けられた。ここでは、日本アイ・ビー・エムが分散コンピューティングのデモを行っていた。


カフェのようす。実際に飲み物も販売されており、くつろげる雰囲気

 カフェに設置されたPCのうち、12台がLinuxベースになっており、グリッドコンピューティングを実現するミドルウェア「Globus」がインストールされている。これらのPCはユーザーが自由に操作できるが、裏では気付かないうちに、分散処理のプロセスが走っているという内容。

 処理は繰り返し行われており、その時々でCPU負荷が軽い9台を参加させる。具体的には、「9つのパーツからなる一枚の画像を、パーツごとにエンボス加工する」といったプロセスを、それぞれ割り当てて処理させるわけだ。作業が進む過程は、カフェの隅に設置されたPCで確認できる。


元画像(右下)が、9台のPCによってエンボス加工された(左上)。左下のグラフは、各PCにかかっているCPU負荷の状況を示す

 説明員は「カフェ内で利用されているPCを見ると、おおむね10数%程度のCPU負荷しかかかっていない。分散コンピューティングに参加するだけのゆとりが、十分ある状況」と話していた。

来場者参加のIPラジコンカーレースも

 会場では、小型IPラジコンカーによるレースイベントも開催されており、その場に居合わせた来場者の参加を募っていた。



来場者は、離れた地点から遠隔操作するドライバーと対戦した

 ラジコンカーは、小型のLinuxマシンと無線LANカードを搭載したもので、IPアドレスを割り振られている。ドライバーは車に積んであるWebカメラの光景を眺めながら、ネットワーク経由でIPカーを操作する。

 レースの模様は、ShowNet経由で会場内に配信されていた。こうした映像はNetWorld+Interop 2002 Tokyo終了後、ネット上でオンデマンド配信されるという。

関連リンク
▼ NetWorld+Interop 2002 Tokyo特集ページ

[杉浦正武, ITmedia]

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