非PCのビデオ端末を実現する“Video over IP”チップ〜Analog Devices米Analog Devicesは、Blackfin DSPチップセットを採用した「PanView」プラットフォームのデモンストレーションを公開した。カメラとTVを接続するだけで、非PCのビデオコミュニケーションが可能になる
米Analog Devicesは、Blackfinアーキテクチャを採用したDSPチップセット「ADSST-VC-7000」のデモンストレーションを国内で公開した。VC-7000は、リアルタイムに音声と動画を圧縮してIP伝送する“Video over IP”チップセットだ。ビデオコミュニケーション端末のコアコンポーネントとして、国内メーカーに売り込む。
Blackfinは、同社が米Intelと共同開発した16ビットDSP技術。マイクロコントローラを統合しているため、単体でRISC命令を処理できるプログラマブルチップだ。 DSPの機能はビデオ・オーディオの圧縮伸張に特化したもので、CATVのPacketCable(MGCPベースのビデオ会議標準)をはじめ、狭帯域用のH.324、次世代標準といわれる高圧縮ビデオコーデックのH.26Lなどを幅広くサポートしている。CIF(352×288ピクセル)サイズであれば最大30フレーム/秒。静止画像なら4CIF(704×576ピクセル)まで対応できるという。 このBlackfin DSPチップにビデオI/Oコントローラ、オーディオコーデック、TV出力用のビデオエンコーダをセットにしたものがVC-7000チップセット。単価は1000個ロット時で49.5ドルとなっている。
Analog Devicesではさらに、VC-7000チップセットを使ったスタンドアローン端末のプラットフォーム「PanView」を提唱し、ビデオ会議システムのリファレンスデザインを公開している。PanViewでは、LCDやTVへの出力はもちろん、イーサネットのインタフェース、IR(赤外線)キーボード、デジタル・アナログのビデオ入力などをサポートしており、外部カメラとTVを組み合わせるだけでビデオフォンやブラウザフォンが完成するという。 PanViewのブロック図。赤い部分がAnalog Devicesのチップセット
リファレンスボードのサイズは200×120ミリ。左下の黒いチップがBlackfin DSPエンジンだ また、PanViewのビデオ会議システムは、帯域幅によって動画の品質(解像度およびフレームレート)を柔軟に変更できる「スケーラブル・ビット・レート」をサポートしている点も特徴だ。デモンストレーションでは、512Kbps、384Kbps、256Kbps、128Kbpsと段階的にビットレートを変更しながら、フレームレートや画質を切り替えてみせた。 スケーラブル・ビット・レートは、複数のインフラでサービスを提供する場合、あるいはADSLのように環境によって帯域幅が変化するインフラの上でサービスを提供するケースに有効だ。 「簡単な操作でサービスレベルを変更できる。つまり、サービスプロバイダは同じハードウェアで多くのユーザーにサービスを提供できることになる」(同社)。Analog Devicesによると、既に複数の国内メーカーと交渉を進めているという。 関連記事 ポータブル機器に向けた次世代DSP登場──Analog Devices IntelとAnalog Devices、新DSPアーキテクチャで「別々の道を行く」 関連リンク アナログ・デバイセズ [芹澤隆徳, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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