ニュース 2002年12月19日 11:25 PM 更新

NTT-ME、マンション構内も光化する新FTTH

NTT-MEは、既築マンション向けの新しい「WAKWAKピアル」を発表した。建物構内にシングルモード光ファイバーを敷設し、Bフレッツ回線を共有するFTTHサービス。初期費用は“それなり”だが、月額料金は3980円と安い

 NTT-MEは12月19日、既存マンション向けの光ファイバーサービス「WAKWAKピアル」(FTTH方式)を発表した。これは、1本のBフレッツ回線をマンション内で分岐し、“光ファイバーのまま”40〜50世帯でインターネット接続を共有するサービスだ。ピーク速度の改善に加え、大規模マンションにも対応できるといったメリットがある。

 WAKWAピアル(FTTH方式)の特徴は、マンション全体にシングルモード光ファイバーを敷設すること。現在のマンション向け光サービスは、建物まで光ファイバーを引き込み、VDSLやHomePNAといった手段によって回線を共有する形が主流だ。しかし、この場合は「速度がメタル技術の限界に引きずられてしまううえ、線長の制限によってマンションの規模が限られるデメリットもある」(NTT-ME)。

 これに対し、各世帯まで光ファイバーを敷設すれば、ピーク速度は100Mbps。線長の制限もなくなり、大規模マンションにも対応できる。これまでは光ファイバーを分岐するための集合メディアコンバーターが高価だったが、「FTTHの市場拡大によって低価格化した」こと。そして、従来よりも“曲げ”に強い光ファイバーが登場したことでサービスが可能になったという。


 光ファイバーは、その特性上、急角度で曲げることができず、構内に敷設するときの“取りまわし”が問題。しかし、WAKWAKピアル(FTTH方式)が採用した住友電工のシングルモード光ファイバー「PureAccess」は、許容曲げ直径(ファイバーを円状にしたときの最も小さい直径)が、従来の半分にあたる約30ミリと小さい。

 さらに、「われわれには、既築/新築を合わせて1000棟以上の集合住宅を光化した実績がある」(NTT-ME)という。例え配管のない建物でも、構造物の隙間を通すなど、「建築分野のノウハウを活かして対応できる」。

 費用は、マンション共有部分の工事費が150万円より(管理組合が支払う)。これには、Bフレッツ回線、集合メディアコンバーターの敷設費用、縦系配線(各階に光回線を敷設)などが含まれる。事前に縦系配線を敷設しておき、希望する世帯だけがサービスに加入する「任意加入方式」だ。

 縦系配線から分岐する形で各世帯に光ファイバーを届けるのが横系配線だ。工事費は2万9800円。これに1万9800円のメディアコンバーター代金を加えた計4万9600円が、各世帯にかかる初期費用となる。

 月額料金はISP料金込みで3980円。オプションとしてウィルスチェックサービス(月額250円)、Webカメラサービス(月額950円)、パソコンセットアップサービス(1万5000円〜)などが用意されている。

関連リンク
▼ マンション“構内の光化”がもたらすもの
▼ 実効78Mbpsの光マンション? インフラネットジャパンの「MEGA LINE」
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関連リンク
▼ NTT-ME

[芹澤隆徳, ITmedia]

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