レビュー:ホームサーバPCの実力[富士通編]
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Pentium 4/2.66GHz ハードウェアMPEGエンコーダ搭載 DVDマルチドライブ 17型ワイド液晶ディスプレイ 実売価格:38万円前後 |
富士通はかなりの老舗メーカーだ(もちろん、NECにはやや負けるが)。FM-8発売から20余年、現在はデスクトップPCはDESKPOWER、ノートブックPCはBIBLOというシリーズで展開している。個人的にはBIBLOのほうには好みにあった製品が多く、実際にMFやLOOX Tを購入し、利用してきた。しかし、DESKPOWERにはまったく興味を持ったことがない(実はVALUESTARも)。なぜだろう。どうもオジサン向けという印象があるのかもしれない(自分もすでに立派にオジサンのはずだが)。ただ、テレビCMにはキムタクを採用しているくらいなので、それは思い込みにすぎないのだろうけど……。
それはともかく、製品カタログを見ていると、これまで紹介したソニー、NEC以上に富士通はことさら「ホームネットワーク」「ホームサーバ機能」には力を入れているようだ。テレビCMでも登場する17インチワイド液晶ディスプレイ一体型「Lシリーズ」のホームサーバ機能搭載モデルDESKPOWER L20C/Fがトップで紹介され、「DESKPOWER STYLE BOOK」なる折込小冊子でもホームネットワークの利用法がメインで語られている。さらに、この製品カタログのほかに「HOME NETWORK STYLE BOOK」という小冊子も別途配布するほどの力の入れようだ。今回は、液晶ディスプレイ一体型のL20C/Fではなく、省スペース型デスクトップPC本体と17インチワイド液晶ディスプレイをセットにした、「もうひとつのホームサーバPC」、DESKPOWER C26WC/Fを取り上げてみた。
DESKPOWER C26WC/Fは、富士通のオンラインショッピングサイトWebMartでの販売価格では、379,800円とかなり高めの価格設定だが、Pentium4/2.66GHz(システムバス533MHz)、メモリ512Mバイト(PC2700)、ハードディスク160Gバイト、DVDマルチドライブ(DVD-R/RW/RAM、CD-R/RWの書き込み・書き換えに対応)を採用と、内容的にも充実の構成になっている。ちなみに、DESKPOWER L20C/Fのほうは299,800円と少々安めだが、構成はPentium4/2AGHz(システムバス400MHz)、メモリ256Mバイト(PC2100)、ハードディスク120Gバイトである(DVDマルチドライブ搭載は同じ)。
この製品をまず最初に眺めたとき、前回紹介したNECのVALUESTAR TXと似た印象を持った。もちろん、ハードウェア構成、ソフトウェアともにまったく異なるのだが、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスを採用し、シルバー/グレーを基調とした本体の前面にはブルーのインジケータが配されている。付属液晶ディスプレイとの接続もケーブル1本(つまり専用コネクタなのだが)ですむのも同様。
ユニークな点としては、液晶ディスプレイの中央下部に設けられた、i-Panelというステータス表示用液晶がある。ここには時刻表示やキーボード/マウスの電波強度、ニュースなど各種メッセージなどのほか、用意された画像やアニメーションを流すこともできる。コネクタの類は見当たらないが、実は背面にUSB(1.1)1基とヘッドフォン出力端子がある。USBは付属のUSBカメラを接続するためのものだ。
さて、主にハードウェア面から見た場合、この製品のホームサーバ的要素とは? 最大の特徴はルータ内蔵という点だ。ワイヤレスLAN(802.11b)&ルータ機能を搭載したネットワークカードをPCIスロットに装備している。前々回で紹介したバイオHS91と同じく、本体の電源が落ちていてもルータとしての機能は維持される。つまり、C26WC/Fでは本体のWAN端子側にADSLモデムなどを接続すれば、LAN端子側にケーブル接続、あるいはワイヤレスLAN接続した、ほかのPCでインターネット接続を共有できる。そして、C26WC/F自体がホームネットワークの中心であり、外部ネットワークとのゲートウェイになることを利用して、さまざまな活用が可能なユーティリティソフトが用意されているのだ。
富士通では、同様の機能を持ったファミリーネットワークステーションという外部機器を、DESKPOWERやBIBLOのオプションとして提供している(紹介記事参照)。ハードディスクを内蔵したワイヤレスLANルータとでもいうべき製品で、テレビ録画・配信機能を持ったファミリーネットワークステーション-Tというモデルもある。ファミリーネットワークウェアというクライアントを使うのも同じなので、ホームサーバ機能とテレビ視聴・録画機能を特徴とするC26WC/FやL20C/Fはこれがそのまま入っていると考えればいいのでは……、と思ったならそれは少し違う。ファミリーネットワークステーション-TではクライアントPCからのテレビ放送のリアルタイム視聴が可能だが、C26WC/FやL20C/Fでは録画した番組を観ることのみできる。それゆえ、GigaPocketやSmartVisionのようなクライアントへのテレビ配信機能をDESKPOWERに求めるのであれば、C26WC/FやL20C/Fではなく、CE21C/STというファミリーネットワークステーション-Tそのものを同梱した製品があるので、そちらを検討したほうがいい。
C26WC/Fでは、テレビ機能としてハードウェアMPEG1/2エンコーダ+テレビチューナーカードをPCIスロットに装着ずみで、デバイスマネージャで確認してみると、「Pixela MPEG Capture Board 2」と表示される。どうやらピクセラのPIX-MPTV/P1W相当品カードらしい。ただし、ソフトウェアはPanasonic TVfunSTUDIO+ハードウェアエンコーダ対応プラグインを採用している。機能としてはスタンダードなもので、タイムシフトにも対応しているし、iEPGに関してはG-GUIDEという別ソフトウェアで扱われ、TVfunSTUDIOと連動するようになっている。同じPanasonic製のMediaStage、MotionDV STUDIO、DVD-MovieAlbumの呼び出しボタンなども用意され、録画した番組をさまざまに活用可能だが、どうせなら、DVD-RAMへの直接録画もできたほうがよかったと思う。
テレビ機能に関しては、クライアントへのテレビ放送配信をはじめ、これまで紹介した2つの製品と比べて力不足の感が否めないが、それ以外の面における「ホームネットワーク」「ホームサーバ」への取り組みに関しては、なかなか興味深い部分が多い。次回ではそのあたりを主に見て行きたいと思う。
レビュー DESKPOWER C26WC/F 1/3 |
[浅井研二,ITmedia]
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