リビング+:ニュース 2003/05/30 23:27:00 更新


NTTとTAO、HDストリームの広域同時多地点配信に成功

通信・放送機構と日本電信電話は、MPLSルータを設置した広域IPネットワークの上で、大容量のIPストリームコンテンツを多地点同時配信する実験に成功した。映画やビデオなどの高画質動画を、いつでも、どこでもストリーム配信し、また鑑賞することが可能になるという

 通信・放送機構(TAO)と日本電信電話(NTT持株会社)は、MPLSルータを設置した広域IPネットワークの上で、大容量のIPストリームコンテンツを多地点同時配信する実験に成功した。25Mbpsのビットレートを持つ複数の動画コンテンツを、4カ所のサーバから同時に送信。サーバやネットワークの負荷を分散させながら、3カ所で遅延なく受信できたという。

 この実験は、TAO幕張RC(ギガビットリサーチセンター)とNTT未来ねっと研究所が、「広域多地点ストリーム配信」の検証を目的に実施したもの。TAOが管理している実験・研究用ネットワーク「JGN」(Japan Gigabit Network)上にMPLSルータを置き、4箇所(幕張RC、高知RC、東京大学分室、東北大学分室)に設置した計20数台の受像装置に対し、3箇所(幕張RC、高知RC、東京大学分室)から複数の番組を同時に配信した。

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実証実験の概要(クリックで拡大)

 これまでもInternet 2上でIPマルチキャストを用いたHD配信の事例はあったが、複数箇所から異なる番組を数十のユーザーに向けて同時配信したのは世界初という。「ブロードバンド・ユビキタス時代に向けたエンドユーザーからの本格広帯域ストリーム・コンテンツ配信への道を開いた」(NTT)。

 実験の技術的なポイントは、「広域多地点配信技術(Flexcast)」と「MPLSルータを用いた動的な負荷分散による品質確保技術の検証および課題の抽出」の2つ。実験では、Flexcastを用い、網内トラフィックとサーバ負荷を最小限に抑えながら同時配信することに成功したほか、幕張RCと高知RC間に2ルートを設定しておき、サーバからのトラフィック増加に伴う輻輳を検知して自律的な経路変更を行う実験もクリアした。大容量IPストリーム配信において、MPLSルータの動的負荷分散技術が通信品質の確保に有効であることを実証した。

 今回の実証実験により、大容量のIPストリームの広域多地点配信を行う上で課題となっていた、サーバへの負荷、および伝送帯域不足による動画像の乱れを解消することができたという。「いつでも、どこからでも、映画やビデオなどの高画質動画をストリーム配信し、鑑賞することが可能になると考えている」。

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