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2003/06/11 18:13:00 更新 |
レビュー:“AQUOS”「LC-15L1-S」
“フルワイヤレス”が液晶テレビの魅力を増す (1/2)
国内ベンダーではもっとも多くの液晶テレビを登場させている「液晶のシャープ」。そのシャープからようやく登場したワイヤレス液晶テレビは、バッテリー動作も可能な「フルワイヤレス」仕様。軽量コンパクトな液晶テレビをさらに魅力的にした製品だ。
液晶といえば、やはり「シャープ」を思い出す人は多いだろう。実際トレンドの大型/薄型テレビでは各社が30インチ以上ではプラズマに力を入れる中、同社は37インチまでを液晶でカバーしている。画面サイズの大型化では「プラズマが優位」といわれる中、シャープの液晶へのこだわりが垣間見える部分だ。
そのシャープの液晶テレビブランドが「AQUOS」で、国内メーカーでは最も多彩なラインアップを持つ。しかしワイヤレス化では後発となり、今回紹介する「LC-15L1-S」が初のワイヤレス液晶テレビだ。そして、後発であるだけの魅力は詰め込まれている。
LC-15L1-Sは、2.4GHz帯の無線を利用したワイヤレス液晶テレビ。画面サイズは15インチと決して大画面とはいえないが、パーソナルテレビの域は超えており、複数人でも十分楽しむことができる。
主なパッケージ内容。これはスタンドとディスプレイ部を分離した状態だ。サイズの違うACアダプタが2つあるが、残念ながら大きな方がディスプレイ部用のもの。左のレシーバーは横置きも可能(クリックで拡大)
スタンドを取り付けると、他の「AQUOS」と同様のデザインになる。スピーカー部の張り出しがデザイン上のアクセント
特徴的なのは、ワイヤレスにくわえて充電式のバッテリーを内蔵することで、完全なワイヤレス利用を実現した点だ。いわゆるパーソナルサイズではソニー、カシオなどからバッテリー駆動可能な製品が登場しているが、15インチクラスでは初となる。
バッテリーでの動作時間は、明るい所での視聴に適したバックライト「標準」の明るさで約2時間、照明を落とした室内などに適した明るさでは約3時間。十分実用的なバッテリー動作時間を確保している。
「AQUOS」デザインそのままに、可搬性にも配慮
「AQUOS」ブランドで一貫されたデザインは、イマドキのリビングなどにマッチする。一見、ワイヤレスであることを感じさせない。
もちろん、ワイヤレス製品であることは十分に配慮されている。スタンドとは簡単に分離可能になっており、そのまま画面が少し上を向く形で床置きできる。ダイニングキッチンなどでキッチンテーブルの上において台所仕事をしながらテレビを楽しむといった場合は、スタンドなしでちょうどいい感じだ。
おもしろいのは背面にリモコンを固定できること。キャリングハンドルの根元にリモコンホルダーを取り付ければ、持ち運ぶ時に邪魔にならない。ちょっとしたアイデアだが、片手でテレビとリモコンをセットで持ち運べるのは便利だし、電源不要のメリットをさらに大きくしてくれている。
スタンドを分離しても、このように立てておくことができる。また背面にリモコンを固定し、一緒に持ち運ぶことも可能だ
既存のAVシステムとの融合に配慮したレシーバー部
レシーバー部(本製品ではスマートリンク送信機と呼んでいる)にも工夫は多い。地上波アンテナ端子は分配出力を持ち、既存のテレビやビデオデッキへの接続の間に“挟み込む”ように接続可能だ。アナログBSチューナーも装備しており、こちらも分配出力になっている。別途分配器を準備しなくても、既存のAVシステムに簡単に追加できるのはありがたい。
AV入出力も「AV入力1」のスルー出力があり、アンテナケーブル同様、既存のビデオデッキとテレビの間に挟み込める。またAV入力2をモニター出力に切り替えて利用することも可能で、レシーバー部で受信したアナログBS放送を他のテレビやビデオデッキに入力し、視聴、録画可能だ。既にアナログBSチューナーは導入済みという人には便利な機能だろう。
レシーバー部の入出力は豊富で整然としたレイアウト。既存のAV機器にアドオンすることを考慮した端子構成だ
ディスプレイ部の背面にもAV入力がある。バッテリー駆動のモニターとして使うこともできるため、ゲーム機などと組み合わせると便利に使えそう
また、ほかのワイヤレステレビでも採用されているリモコンのブリッジ機能がある。本製品では、「リモコンリンク機能」と呼び、ディスプレイ部が受信した赤外線リモコンの操作を無線を介してレシーバー部に伝送。レシーバーに接続された「スマートリンク送信機」からほかのAV機器に赤外線を送出する。この機能さえあれば、どこに居てもリビングルームのAV機器を操作できる。
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[坪山博貴,ITmedia]