リビング＋：“フルワイヤレス”が液晶テレビの魅力を増す (2/2)

リビング＋：レビュー

2003/06/11 18:13:00 更新

レビュー：“AQUOS”「LC-15L1-S」
“フルワイヤレス”が液晶テレビの魅力を増す (2/2)

家電的な操作性と、必要十分な画質

　デザインこそ先進のAV機器というイメージだが、その操作性は非常に家電的でわかりやすい。極力専門用語を排除しており、以前紹介したソニーの「ワイヤレス液晶＜ベガ＞」とは好対照だ。想定した購買層が違うのだろうが、例えば本製品ではプリセットされている画質も「標準」「映画」「ゲーム」と非常にわかりやすい。

　設定項目はわかりやすい表記。AV機器というより、誰でも使える家電という雰囲気だ /broadband/0306/11/aquos_08.jpg

　おもしろいのが、この反転機能。上下、左右、上下左右の反転が可能で、例えば「鏡越しにテレビを見る」といったこともできる

　液晶パネルの解像度は640×480ピクセルと欲張っていないが、映像を見るという意味では画面サイズにマッチした十分なものだ。DVDビデオのスタンダードな解像度（720×480ドット）には足りないが、DVDプレーヤーを無線を使わず直接ディスプレイ部に接続しても、特に情報量が足りないという印象は受けなかった。また、今回はBSアナログ放送も視聴したが、地上波との画質の違いも明白に感じることができた。つまり、アナログ放送を見るぶんには必要十分な画質ということだ。

　画面に顔を近付けると細かな文字などにジャギーが確認できたが、40～50cm以上離れれば、これが気になることはほとんどない。また、視野角も上下左右170度と極めて広く、少々斜めから覗き込んでも映像はクリアだ。

　標準設定の画質は少々派手気味だが、実写の映画などでは映像ポジションを「映画」にするだけでも落ち着いた発色になる。3つの画質を任意に設定しておき、リモコンでワンタッチで呼び出せるので、映像ソースに応じて画質を使い分けるのも容易だ。

一般的な家屋では十分なワイヤレス伝送能力

　ワイヤレステレビで無視できないのが無線での伝送距離。今回も編集部のあるビル1階の会議室スペースを利用し、無線伝送能力をチェックした。大小の会議室で構成された場所であり、一般的な家屋とも似たような環境だ。

　テストに利用した会議スペースの見取り図

　レシーバー部は「A」のもっとも奥に置き、評価は目視で行った。本製品には、受信レベルなどを表示する機能がないからだ。1カ所につき、最低1分程度は視聴し、3段階の「通信距離設定」を切り替えて映像がまったく途切れなく表示されるかどうかを確認している。

　結果としては「通信距離設定」を「遠い」にすることで全てのポイントで問題なく利用できた。また、もっとも遠い「E」の位置でも、「近い」「中」でまったく映像が表示されないわけではなく、時折映像が停止するという程度。送信ビットレートなどは公開されていないが、おそらく一般的なサイズの家屋ではほとんどの場所で利用できる伝送能力を持っているだろう。