リビング＋：「Lモード」がネット家電に急接近

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2003/06/24 23:59:00 更新

「Lモード」がネット家電に急接近

初の“TV型”Lモード端末が登場した。Lモードが電話やFAXから離れ、初めてネット家電のサービスプラットフォームとして提供されたことになる。そして、NTT地域会社が考える“フレッツ収容Lモード”とは？

　ソニーと東西NTT地域会社は6月24日、Lモード機能を搭載した「エアボード IDT-LFL1」を発表した。エアボードはタッチパネルを備えたワイヤレス液晶TV。今回の発表により、Lモードは電話やFAXではない、初の“TV型端末”をラインアップすることになる。

ハードウェアは基本的に「IDT-LF3」と同じ。販売はNTT地域会社が担当する

　IDT-LFL1のハードウェアは、今年3月に発売した「IDT-LF3」と同等だ。異なるのは、Lモード対応のCompact HTMLブラウザを搭載したこと、そしてリモコンを同梱していないこと。もちろん従来通りWebブラウザやメーラも搭載しており、ISP経由のインターネット接続とLモードを切り替えて利用できる。

　エアボードにLモードを搭載したことで、双方の機能を組み合わせた使い方ができるようになった。例えば、TVを視聴している間でもLモードのコンテンツを閲覧できる。TVの映画情報を見ながら上映中の映画館をLモードで検索したり、料理番組で見た献立のレシピを探したりといった用途が考えられるだろう。

まるでTVのピクチャー・イン・ピクチャーのようにLモード画面にTV画面が挿入されている

　逆に、LモードコンテンツからTVへ誘導することも可能だ。LモードコンテンツはCompact HTMLで記述されているが、これに通称「エアボードタグ」と呼ばれるタグを挿入するだけで、TV画面を表示する位置やサイズ、さらにチャンネルまでを指定できるという。ECサイトからTVショッピングへの誘導など、応用の範囲は広がりそうだ。

写真Lメールに対応

　IDT-LFL1は、NTT東西地域会社が7月15日より提供する「写真Lメール」にも対応した。写真Lメールは、Lモードのメールサービスを通じて、写真などの画像ファイルを送受信するサービス。送信者が送った画像はLモードのサーバに保存され、受信者にはURL付きのメールが届く。このURLにアクセスすれば画像を閲覧できる仕組みだ。

写真Lメールを表示したところ。ダウンロードして保存したり、エアボードの持つプリントサーバ機能で印刷したりといったこともできる

　従来のLモード端末でも写真Lメールを受信することはできるが、送信するには端末側が対応している必要がある。IDT-LFL1は、デジタル画像をそのまま送信できる最初のLモード端末となった。さらに、もともとエアボードが持っている「お絵描き機能」を使えば、画像を加工することも可能だという。

Lモードが“ネット家電向けコンテンツサービス”へ？

　NTT地域会社は、Lモードのブロードバンド対応を検討している。これは、フレッツシリーズを使ってIPベースのLモードを提供するということ。現在はダイヤルアップ接続（アナログ＆ISDN）に限られているLモードだが、高速アクセスを手に入れて市場の拡大を狙う。

Lモードをフレッツ収容すれば、フレッツ・ADSLやBフレッツによる高速アクセスが可能になる

　ソニーブロードバンドネットワークカンパニーLEX事業室長の前田悟氏は「これまで、Lモードは電話というイメージが強かったが、今後は種々の家電に採用されて活性化するだろう」と評価している。Webブラウザを搭載した“ネット家電”が増えるなか、Lモードが家電向けネットワークサービスのインフラとして、名乗りを上げたとも解釈できる。