iアプリ,iナビリンク,Lモード

iモード,iMacなどの成功にちなんでか,「i」なんとかという用語が最近激増している。連載第1回となる今週は,アルファベットを頭に付けた用語を解説しよう。

【国内記事】 2001年1月15日 更新

iアプリ | iナビリンク | Lモード

iアプリ【あいあぷり】

 Javaを利用したiモード端末専用のアプリケーションソフト。iアプリはコンテンツプロバイダーがサーバ上に用意するもので,NTTドコモのデジタルムーバ「503i HYPER」シリーズ以降の機種でダウンロードして実行できる。

 iアプリは,1本あたり10Kバイトまでの容量制限があるため,パソコン並みのビジネスソフトや,あまり大掛かりなゲームソフトを動かすことはできない。また,1台の端末で同時に複数のiアプリを起動したり,ほかのiアプリと連動させるような使い方もできない。

 実は,iアプリが端末内でアクセスできるメモリ領域(ScratchPad)は個々に指定されており,ほかのiアプリのデータや本体の電話帳データを参照したり,書き換えたりという動作ができない。だがそれゆえに,Javaを利用した携帯ウィルスによる被害はまず発生しない。

 iアプリでは,テキストのほかに画像などを使うことができるが,これまでのiモードコンテンツのようなGIFファイルの差し替えではなく,端末上で元データから描画させることができるため,結果として伝送するデータ量を少なくできるというメリットがある。

 例えば,始めに天気図で使う日本地図を画像ファイルとして送り,刻々変わる気象情報はデータから地図上に描き起こすことができる。

 ある一定間隔で自動的にサーバへアクセスするようにすれば,常に最新のデータを読み出せるので,気象情報や株価情報のチェックなどにも利用できる。

 こうした自動アクセスの機能をエージェント機能と呼ぶ。エージェント機能を使うことで,あたかも常時接続されたパソコンと同じような環境となり,商品在庫やグループメンバーのスケジュールなどが最新情報として表示できるなど,法人ユーザーにも魅力的なiアプリが登場するだろう。

 ちなみに503iは,Java 2 Platform Micro Edition (J2ME)のConnected Limited Device Configuration (CLDC)がサポートされている。この「J2ME/CLDC」は,PDAなどの携帯端末向けに設計された「K Virtual Machine (KVM)」をベースに作成されており,携帯電話などの小型デバイスで使うための最適なJavaプラットフォームとなっている。

 iアプリを実行するには,J2ME/CLDCと,独自に用意されたiモード拡張ライブラリの構成が必要であり,端末メーカーの提供する機種ごとの拡張ライブラリも利用可能である。

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関連リンク
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iナビリンク【あいなびりんく】

 iナビリンクは一部のiモード端末に用意された機能の1つ。自動車に搭載されるカーナビゲーションシステム(以下,カーナビ)に専用ケーブルで接続することで,iモードの機能がカーナビの液晶テレビ画面で利用できるようになるほか,カーナビの位置情報(GPSによる緯度経度情報)をiモードに利用することができる。

 カーナビがGPS衛星より取得した位置情報を,メール本文にURLとして自動挿入することで,受信した側では該当の個所をクリックするだけで地図情報を参照できる。この機能によって,移動中でも現在位置を相手に知らせることができるほか,特定の場所の地図を情報として共有できる。

 メールを受信する側にはiナビリンク機能がなくてもかまわない。地図データサイトにアクセスするためのインターネット環境さえあればいいわけだ。

 カーナビの液晶画面でiモードの操作を行う場合は,iモード端末側の画面上での操作は無効になる。通信アダプタを経由して,いっさいのデータをカーナビ側に渡してしまうことになるからだ。

 カーナビ側は単なる外部ディスプレイとして動作するわけではない。iモード対応HTMLに準拠したブラウザを搭載しており,基本仕様は256色カラー。iモード用の絵文字やGIF画像(Ver.1.0)も利用することができる。

 iナビリンク機能を持つiモード端末は,P502,F502it,N502itの3機種(2000年9月1日時点)で,カーナビと専用ケーブル(通信アダプタを含む)は各メーカーからiナビリンク対応品として発売されている。なお,カーナビでのiモード操作は,基本的に停車中に行うものとされている。

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関連リンク
▼NTTドコモ iナビリンク
▼トヨタ自動車 DVDハイパービジュアルナビ
▼アルパイン
▼クラリオン
▼松下通信工業 DVDカーナビゲーションシステム

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Lモード【えるもーど】

 NTT東日本,西日本両社が2001年春より導入を予定している,電話回線と電話機を使った家庭向けインターネットサービス。NTTドコモの「iモード」を意識した機能とネーミングであり,「L」はLiving(生活),Lady(女性),Local(地域密着),Large(大画面,大ボタン)などを意味している。

Lモード対応端末のモックアップ

 普段,家の中にいて,パソコンや携帯電話のインターネットサービスを使うことのない,30〜50代の主婦やその家族を対象にしている。専用の電話機やFAXを使って,文字情報を中心としたインターネットコンテンツを利用できるようになることから,デジタルデバイドの解消やインターネット利用者の裾野拡大につながると期待されている。

 価格も,現在の電話回線に対するオプション契約として,月額数百円程度が予定されている。利用できるサービスは,メールの送受信とWebブラウズで,iモードと同じく専用メニューからモバイルバンキングなどのサービスも提供される。ただし,iモードのようなパケット課金ではなく,センターに接続した時間に対して通常の通話料金が課金される。

 通信速度は基本的に9600bpsとiモード同等であり,接続機器によっては56Kbps,ISDN利用者は32Kbpsとなる。コンテンツ内のメールアドレスや電話番号をクリックすることでそれぞれのリンク先にアクセスできる「Mail to」機能や「Phone to」機能などをサポートしている。またホームページをFAXでプリントアウトできる機能もある。

 外出先でも自分宛てのメールを読めるように,家庭の電話機以外に,ICカード公衆電話機からもLモードを利用可能となっている。この場合は電話機にICテレホンカードとLモード対応ICカードを重ねて挿入することで,Lモードのメニュー画面が表示されるようになる。

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関連リンク
▼NTT東日本 Lモード
▼NTT西日本 Lモード
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[江戸川,ITmedia]

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