mbcc,モバイルアプリケーション向けミドルウェア「MBP 2.0」を発表

【国内記事】2002.01.24

 モバイルビジネスコミュニケーションズ(mbcc)は1月24日,携帯電話やPDAから既存のWebアプリケーションを利用するための製品,「MBP(Mobile Business Platform」の新バージョンを発表した。1月末より提供を開始する。

 MBP 2.0の実体は,Webアプリケーションサーバ上で動作するJ2EE準拠のミドルウェア。スケジューラーなどの単純なサービスだけでなく,在庫管理や商品検索,発注処理や承認ワークフローといったさまざまなWebアプリケーションを,携帯電話やPDAなどから利用できるようにする。

 製品は,フロントエンド側で認証やログ管理を行い,機器との接続を担う「Mobile Business Manager(MBM)」,モバイル機器向けのコンテンツ変換やパーソナライゼーションを行う「Mobile Business Accelerator(MBA)」,バックエンドのアプリケーションやデータベースとの接続を担う「Mobile Business Integrator(MBI)」という3つのコンポーネントから構成されている。

 2000年9月に発表されたMBP 1.0では,iモードなど限られた端末のみのサポートだったが,新バージョンではWindows CE(Pocket PC),EZ-Web,J-Sky,FOMAなど,幅広いデバイスが利用できるようになった。

セキュリティや既存システムとの連携機能を強化

 同社COOを務める佐久間一行氏は,業務アプリケーションをモバイル環境に展開する際の問題点として,「(企業側には)まずセキュリティに関する懸念がある。また,既存アプリケーションをいかに有効に活用するかも課題」と語った。MBP 2.0では,これらを解決するための機能がいくつか追加されている。

 セキュリティの面では,一般のWebアプリケーションでも広く利用されているベーシック認証/ダイジェスト認証に対応したほか,端末固有の番号を利用したユーザー認証が可能だ。また,ユーザーや企業(組織)ごとのアクセスコントロールもサポートされ,アクセス可能なアプリケーションや期間を設定できるようになった。

 これらの情報は,デバイスに表示される画面のパーソナライゼーションにも反映されるため,ユーザーごとに異なるメニュー表示を提供することができる。また,ルール定義や使用頻度に準じたパーソナライズも可能となっており,業務形態に合わせ,柔軟にメニュー表示を変更できるようになった。

 既存アプリケーションとの連携も,バックエンドとのゲートウェイとなるMBIの追加によって強化されている。具体的には,従来よりサポートしていたCORBAに加え,JDBCやCOMに対応したことで,各種データベースやWindowsアプリケーションをデバイス上に呼び出し,閲覧・利用できるようになった。

 現実にはキャリアが提供する通信サービスやデバイスの性能に左右されるだろうが,たとえば手元の機器のWebブラウザからエクスプローラでファイルを検索し,該当のExcelファイルを閲覧,編集する,といったことも可能だ。

 さらに,モーバイルアプリケーション開発のサポートを目的に,XMLベースの処理属性ファイル,つまりテンプレートが提供される。ユーザーは,このXMLファイルに仕様に応じて修正を加えるだけでモーバイルアプリケーションを構築できるため,開発期間を大きく短縮できる。

 同社は今後もMBPの改善を進め,3月には,LDAPやActive Directoryなどディレクトリサーバとの連携機能や管理者用コンソールなどを追加した新バージョンを提供する計画だ。ロードマップにはさらに,メインフレームとの接続やSOAPのサポートなども挙げられている。

 MBP2.0は一括払いと分割払いという2つの方式で販売される。一括払い方式では1CPU当たり2000万円,年間保守費用は400万円(アップグレード費用を含む)。分割払い方式では,1CPUにつき月額89万円だ。またMBMのみの販売も行われ,こちらの価格は1CPUにつき480万円,年間保守費用96万円となっている。

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[高橋睦美 ,ITmedia]