あの日の輝きをもう一度――ノスタルジー上等! 時をかけるゲーム「オレたちゲーセン族」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年10月31日 21時23分 公開
[篠崎薫,ITmedia]

テラクレスタ(1985年:日本物産)――合体の感動は残っているけれど、今回は自動合体で楽チン

 日本物産と聞くと、何やらどこか総合商社のようなイメージだが、カタカナでニチブツと書けば、すぐに思い出すだろう。あの、「ムーンクレスタ」や「クレイジー・クライマー」といった名作を生み出した、老舗のゲームメーカーだ。1985年にリリースされた「テラクレスタ」は、80年にデビューしたムーンクレスタの続編という位置づけの作品となる、合体シリーズ第2弾だ。

前作の固定画面から縦スクロールへと変貌を遂げ、画面はよりカラフルになった

 そんな85年は、御巣鷹山で日航機が墜落するという悲しい出来事だけでなく、科学万博つくば85が開催された年でもあった。その最先端の科学に触れたからなのかどうかは分からないが、前作ムーンクレスタが3機合体だったのに対して、テラクレスタでは最大で5機が合体できるシステムにパワーアップされている。

 さらに、全機合体が成功すると8秒間無敵となる火の鳥に変身し、どんなザコ敵でも一撃のもとに葬り去ることが可能なのだ。この火の鳥が見たいがために、当時は足繁くゲームセンターに通ったもの。相当数プレイはしたが、ボスはそれほど強くないので、どちらかというとヌルゲーに分類されるタイトルだったのかもしれない。

科学忍者隊・なにがし、がネタの元になった……と勝手に推測している、5機合体時の火の鳥。無敵時間がそれほど長くないのが残念
途中に出現する、中型母艦チューボ。このネーミングセンスは、疑ってあげた方がいいのだろうか?

 ゲーム内容はオーソドックスな縦スクロールのシューティングで、地上と空中に出現する敵を破壊しつつ、途中に現れるボスを倒して先へと進んでいく。地上の特定場所へ到達すると、地下から格納庫が自動的に出現。数字の書かれたロックを破壊することで中から味方機が現れ、合体すれば自機の攻撃力や防御力ががアップする仕組みだ。

 さらに、2機以上になるとフォーメーションボタンを押すことでフォーメーションが組めるようになり、ショットの威力が大幅に上昇。堅いザコやボスに大ダメージを与えられる。ただし、フォーメーションが使えるのは3回までだが、合体すれば再び3回使えるようになるシステムだ。もちろん前作と同じように、合体すれば当たり判定も大きくなるので敵弾が避けづらくなるが、弾を受けても合体した味方機がやられるだけで済むため、結果としては有利になる。

2号機は、2と書かれたロックを破壊すると出現する。合体すれば攻撃力アップ
合体している機数により、フォーメーションも変わってくる。一番バランスが良いのが3機合体時のフォーメーション

 改めてプレイしてみると、当たり判定の大きさに驚いたり敵がもの凄い位置から弾を撃ってくるなど、今どきのシューティングに慣れていると不親切に感じるかもしれない。しかし、それが80年代テイストだと思えば、なんとなく納得してしまうはず(笑)。

 非常に悔やまれるのは、国内版のBGMしか聞けない点だろう。テラクレスタのBGMは国内版と海外版ではまったく変わっていて、個人的にはCDなどで聞いていた海外版のBGMが耳に残っているだけに、オプション設定などで選べるようにしてほしかったところ。というか、海外版のゴージャスなBGMを一度聞いてしまうと、国内版のBGMはちょっと……というのが正直な感想なのだが。

BGMだけは、選択式にしてほしかったところ。それが変えられるだけで、戦いのモチベーションも上がるのだが

 なおバーガータイムと違い、テレビを回転させて縦画面で表示できるのは、往年のゲーマーにとっては嬉しい仕様。アーケードでの感動を自宅でも! という人ならば、ぜひテレビを縦に置いてプレイすることを勧める。もちろん、それが原因でテレビが壊れたとしても、一切の責任は負えませんのであしからず。ちなみにハイスコアのコツは、5機合体→やられる→5機合体→……という感じで、合体してはやられる、を繰り返すこと。また、敵弾を大げさに避けることと、上下ではなく左右主体で敵の攻撃をかわすことをマスターすれば、実は簡単なゲームということに気づくはずだ。

あらかじめ、回転可能なテレビに映し出しながら撮影した縦画面モード。この状態でプレイすると、もう横画面でプレイする気が起きなくなる

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