あの日の輝きをもう一度――ノスタルジー上等! 時をかけるゲーム「オレたちゲーセン族」レビュー(4/4 ページ)

» 2005年10月31日 21時23分 公開
[篠崎薫,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

スーパーバレーボール(1989年:ビデオシステム)――不思議な名前の日本代表と共に世界制覇を目指す!?

 ゲームセンターには数限りない麻雀ゲームが置かれているが、それを作っているメーカーの1つに、ビデオシステムがある。80年代後半に、お雀子シリーズと呼ばれる麻雀ゲームをリリースしていたのだが、87年に登場した横スクロールシューティング「ラビオレプス」にて大ブレイクし、一躍有名になった会社だ。

 そんな同社がゲームセンターに送り出した初のバレーゲームが、この「スーパーバレーボール」となる。リリースされた1989年は、まさにバブル経済まっただ中。景気の良い話があちこちで聞かれていたが、さりげなく消費税がスタートし(当時は3%だった)、ベルリンの壁が崩壊する……。そんな時代だった。

今でも、珍しい部類に入るバレーボールゲーム。この後、ビーチバレーゲームも登場しているが、DOAエクストリームではありません

 アーケードでは珍しいバレーボールゲームとなった本作だが、それはそれまでバレーをゲームとして再現するには、操作が複雑になってしまうという考え方があったからだと思われる。それを見事に覆し、レバーとボタン2個だけの簡単操作を実現した本作は、息の長いゲームとして君臨することになる。ちなみにこの後、続編となる「スーパーバレーボール91」ではボタンが1つになり、より簡単にプレイできるような工夫が凝らされている。

 プレーヤーは日本メンバーを操作して、コンピュータより先に15点取るのが目的だ。ただし、操作する選手は基本的に1名だけと、非常に単純。しかも、レバーとボタンの組み合わせだけでオープンやクイックなど、多彩な攻撃を繰り出せるようになっているのだ。

 中でもおもしろい点としては、野球ゲームでよく使われる変な選手名をバレーの選手にも取り入れたことを、無理矢理にでも挙げたい。今や、フジテレビ系列で朝の10時から放映されている「答えてちょーだい」のメインキャスターとなった川合選手も、ゲーム中では“きゃわい”と表記されているなど、なかなかユニークな名前が並んでいる。これを見ているだけでも楽しいが、その昔のテレビ番組「アタックNo1」に登場したような天井サーブや稲妻レシーブなどの必殺技も、ボタンとレバーの組み合わせで簡単に発動できてしまうのだ。

 もっとも、コンピュータ相手に技を繰り出しても、確実に返されるのがオチというのが、ちょっと淋しいところ。むしろ、バックアタックなどで地道に攻めた方が点数を取りやすいという部分で、アーケードゲームの悲しい宿命というものを思わず感じてしまった。

画面はサイドビュー構成で、選手の操作は基本的に左右移動だけと、非常にシンプル
クイック、オープン、バックアタック。すべてがレバーとボタンの組み合わせだけで発動できる
濃いCGだが、なかなか本人たちに似ている……と思う

 とはいえ、4本の中では一番新しいこともあり、飽きずにプレイできるゲームかもしれない。ただし、題材がバレーなので、プレイヤーを選ぶかもしれないが……

付属DVDを見て、思い出に浸るのもアリだけど、浸りすぎには注意?

 同時に発売された4タイトルをチェックしてきたが、どのソフトにもゲームミュージックCDと映像特典DVD、公式ガイドブックやインストカードなどが付属しているのが嬉しいところだ。

 特に、映像特典DVDには攻略映像が収録されているので、買ったのにクリアできないという人でも、これさえ見ておけば他人にそれらしい話ができる……はず。ただ、これは私見なのだが、インストカードがカラーコピーを元に作られているように見えるので、どうしても安っぽい感がぬぐえないのが残念と感じた。手元にあるアーケードゲーム基板に付属のインストカードを何枚かチェックしてみたのだが、きちんと印刷されているものもあるので、それらをベースに作って欲しかったところ。

 懐かしいゲームをプレイするのに、一昔前までは基板を買うのが一番の近道だったが、こうしてPS2で手軽に遊べるようになったのはいいことで、オールドゲーマーにとってはありがたいシリーズと言えるだろう。ただし、過去のゲームばかりをプレイしすぎて、考え方が後ろ向きになってしまわないように。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news077.jpg ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』、舞台が見えづらいとの指摘に謝罪 「視認性の改善を講じる」
  2. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  3. /nl/articles/2404/30/news156.jpg 「葬送のフリーレン」の勇者一行、ネモフィラ畑に現る 名場面にちなんだコスプレが「これを花畑を出す魔法か」と23万いいね
  4. /nl/articles/2402/21/news158.jpg 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  5. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  6. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  7. /nl/articles/2405/01/news014.jpg 1歳娘、ちょっと目を離したら衝撃の光景が……! リアル過ぎるワンオペ現場が190万再生「わかりみすごすぎです」
  8. /nl/articles/2404/29/news009.jpg 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  9. /nl/articles/2403/21/news104.jpg 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  10. /nl/articles/2405/01/news011.jpg 息子「あしたから下敷きいるって」母「ええやつあるで(ドヤ」 母の愛がつまった手作り下敷きに「なにこれめっちゃほしい!」と注目集まる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評