何度も言いますが、連邦のMSはバケモノです!!──ギレン総帥のすごさが骨身にしみました「機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威」レビュー(3/3 ページ)

» 2008年02月27日 09時00分 公開
[内田志乃,ITmedia]
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我が独立戦争の軌跡は……?

 さて説明が長くなってしまったが、ここからは筆者のプレイリポートをお送りしていこう。まずお断りしておきたいのだが、以下は一度ゲームオーバーになったあと、タイトル画面に現れる「VERY EASY」を選択した上でのリポートである、ということだ。

 というのも、本稿執筆にあたってプレイしてみたところ、最序盤において手詰まり&ジリ貧になってしまい、リポートを執筆できるようなネタも集められない状況に陥ってしまったからだ。まぁなんというか、ジオン公国の序盤というのはとにかく「疾きこと風のごとく」かつ継続的に侵攻し、少なくとも連邦との収入差を逆転しておくというのがお約束であり、さもないと新型MSすらロクに開発していない状態で例の“白い悪魔”が登場してしまい、一転猛反抗に遭ってしまうのだ。実際の戦争において、戦力の逐次投入というのはあまり賢くないやり方というのが一般的な見方だけど、本作に限ってはそれが有効策のようだ。

画像 強気ですギレン様。この強気をわたしはいつまで持つことができるのか……
画像 「序盤の鍵はザクなのだよ!」……。何か違いますか?

 さて、我がジオン公国だけれども、その第一手はもちろん「第一次降下作戦」。大気圏外から敵特別エリアである「オデッサ」に直接突入し制圧しようというものだ。戦力の配置は既に完了しており、あとは「攻略作戦」を発動し突入させるだけなのだけど……ここで我が戦力を今一度チェックしてみると、初期のMSはそれなりにあるとはいえ、艦船、つまり宇宙における戦艦や巡洋艦といった船は連邦のそれに比べかなり少ないのだ。「ジオンに兵なし」とはよく言ったものである。

 というわけで、「オデッサ」にて戦端を開くと同時に、「ア・バオア・クー」のデラーズ部隊やアフリカ大陸への第三次降下作戦を待つ部隊なども運用し、連邦の宇宙戦力を叩いておくことにした。結果これが功を奏し、宇宙における連邦軍はルナツーとサイド7に引きこもってくれた。サイド7はルナツー経由でしか侵攻できず、またルナツーは特別エリアなので、その周囲を固めておけば実質宇宙域は完全沈黙である。

 一方地表はというと、これがまたタイヘンだ。序盤においてザクIIC(対核装備の初期型・ゲームオリジナル)に勝る敵の兵器はないのだけど、一方でこの初期型ザクは足が遅く、1つのエリア制圧までにどうしても時間がかかってしまう。そこで改良型や陸戦型に期待となるわけだけど、それらを待っていては連邦も戦力を増強してしまうのだ。というわけで先述のように、戦力の逐次投入という戦法をとることになるのだ。

 実際、陸戦型のザクIIはかなり使える機体だ。コストパフォーマンスにも優れ、後に登場するザクキャノンとともに我が軍を長期にわたり支え続けてくれた。

 ちなみに敵エリアへ侵攻しても、アライメントはほんの少しカオスの方向へ進む模様。臨時資金徴収だとか、その他モロモロのイケナイ感じの行動はとってないにもかかわらず、気付いたらなぜかずいぶん傾いていた、なんてことがあった。暴動が起きて侵攻がストップしたら元も子もないので、戦闘が続いた時期は毎ターンチェックしておいたほうがいいだろう。

 さて侵攻を進める一方、敵への諜報やMSなどの開発への投資も余念なく進める。もちろん慢性的な資金不足なのだけど、ともあれ諜報活動への投資を怠ると、敵戦力の配置すら不明になってしまうので、これだけは継続しておいた。

 ここで諜報について少し説明しておこう。諜報にはレベルゲージがあり、毎ターン減少するのを資金投資で回復させる、という仕組みになっている。レベルが高ければ先述の「敵の戦力配置」はもちろん、適性技術の収集、そして運が良ければ敵の開発プラン(設計図)をも奪取してきてくれ、敵の兵器も生産することが可能になるのだ。

 こちらが先行しているとはいえ、連邦のMSはとにかくアレなので、諜報への投資だけは心がけていた。そんなある時「敵開発プランの奪取」イベントが発生! わくわくしながらその報告を聞いてみると……奪ってきたのは航宙戦闘機「トリアーエズ」の設計図。その場しのぎ的なお茶目な名前だけど、性能の方もなんともお茶目なもので。ガンダムとまでは言わないけど、せめてジムの設計書とか盗んで来てくれないもんですかね。

画像 サイド7に派遣したシャアの報告の中のひとコマ。我がジオン公国にとっては、まさに悪夢の始まりだ。さて、史実どおりにイベントを進めるべきですかね?

 ともあれそんな感じで、なんとか北米とアフリカ大陸、そしてハワイまで制圧したジオン公国25ターン目、シャアがついにV作戦をキャッチした。調査に向かわせたデニムとジーンも戦死し、いよいよ連邦の本格的な反攻作戦の開始である。世界各地でガンタンクの影もチラホラ見え始めた。

 さて我らがジオンはというと、ようやくドム試作機の開発プランが提出されたばかり。だが、対MS戦用MS「グフ」はすでに戦線に投入され、我らがランバ・ラル中尉がチュウゴクで大暴れ。やはりザクとは違うその活躍に期待は高まる。

 と、そんな期待をくじくように、ホワイトベースこと木馬を追っていたガルマが原作どおり戦死するイベントが発生。続いてドズルから木馬追撃にランバ・ラルの派遣要請があり、ここでYES/NOの選択肢が。

 YESを選べば、もちろん原作どおり戦死してしまうだろうことは目に見えている。であればNOを選んでおきたいところだけど、そうなると今後の展開はいわゆる「ifの歴史」になっていくことになる。その内容は……是非その目で確かめてみてほしい。

ギレン総帥の偉大さを改めて実感

画像 演説をし全将兵の士気を高めるというコマンドもある。もちろんあの名演説がフルボイスで再現されているのだ。さぁみなさんご一緒に「ジーク・ジオン!」

 その後、連邦のMSが地上で猛威を奮い始め、我がジオン公国軍はあれよあれよと言う間に戦線が崩壊し始めた。せめてドムの量産体制が整えば、あるいは逆転の目もあるかもしれないという目論見の下、現在全力開発中ではあるけれども、見通しは非常にツライものがある。

 最も易しいレベルでこの厳しさを実感するに当たり、自分の腕の未熟さもさることながら、1年もこの戦争を継続できたギレン総帥の手腕のスゴさを改めて思い知った。

 ジオン公国はいわゆる少数精鋭であり、先述のように、物量に勝る連邦に対抗するには序盤のスタートダッシュが全てだと思われる。制圧地域を広げ、こちらの資金や資源さえ潤沢に確保できれば、たとえバケモノのような連邦のMSが登場したところで、こちらにも対抗手段が生まれるというもの。拙速を重んじるべしなのだ。

 「系譜」と違い、資源を資金に還元することが不可能になったこともあって、初心者はもとよりシリーズ経験者でも少々難易度が高く感じるだろう。でも、敗北を重ねることによって少しずつコツがつかめてくるのもまた事実。実際筆者も何度かやり直して、ようやく先述の展開まで持っていくことができたのだ。全国のジーク・ジオンな皆様、諦めず何度も挑戦してみましょう。

 それからアライメントシステムについて。今回のプレイでは、それが活かされたイベントはお目にかかれなかったが、例えばイケナイ指示をガマンし続けることによって、とてもとても清く正しく美しいジオン公国を作り上げるなんてことも可能であり、そうすると第三者から資金援助なんてイベントも発生したりする、とのことだ。

 「とのこと」と伝聞系なのは、筆者はもうカオスまっしぐらなプレイしかできなかったから! ただまぁなんというか、あまり清廉潔白なギレン総帥というのもピンとこないと思いません? それを言い訳に非人道的行為を繰り返した筆者は、ひたすら暴動鎮圧に追われたのでした。

 そうそう、一応確認のためと思い連邦でゲームを開始してみたところ……ギレン総帥の偉大さを骨身に沁みて味わうことになりましたとさ。ウン、IQ240のウワサは本当かも。


機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威
対応機種 PSP
ジャンル 戦略級シミュレーション
発売日 2008年2月7日
価格(税込) 「ギレンの野望・スペシャルパック」:2万5890円、ソフト単体:6090円
(C)創通・サンライズ


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