既報の通り,セガは本日(11月15日),同本社にマスコミ関係者を集め,「新経営方針説明会」を実施した。
基本的には,10月末に掲げた「セガは世界一のネットワーク・ゲーム・サービス・プロバイダーになる」という目標のもと,さまざまな新展開を検討しているようだ。
この説明会において代表取締役副社長の役に就いた佐藤秀樹氏は,日本のゲーム市場が成熟で目新しいゲームの提供が難しくなったとし,ビジネスモデルの変遷が進んでいることを説明。テクノロジーの進化とともに,ネットワークビジネスへの注力を改めて明言した。
「これからはネットビジネスが重要なことは明白。セガは常に時流を先読みし,率先して新技術を採用してきた。これによりライバルたちに1〜1.5年のアドバンテージがあり,これは永遠に縮まらないだろう」(佐藤氏)と,Dreamcastの標準ネット機能やISAOなどの事業展開が,競合メーカーに大きく差をつけていると胸をはる。
さらに,ネットワークサービス部門を統括する同社専務取締役の大山俊道氏が,新ネットワークビジネスプランを発表。
ネットイベントやネット通販におけるソフトの売上拡大も紹介された。DC用RPG「エターナルアルカディア」は,通常流通の20万枚(予測)に加え,ネット通販で7万枚が売れたとのこと。さらに「ぐるぐる温泉」ネットイベントで3万枚の新規ユーザー獲得を果たしていることも明らかにされた。
こうしたネットに依存し始めた潮流に乗り,30万ユーザーを持つタイトルでは,データ課金が6,000万円/月,ネットサービス課金が3,000万円/月というビジネスケースが成り立つという。
さらに,ほかのネットワーク事業者との提携も進んでいるようで,セガグループの「180万ユーザー+ゲームコンテンツ+コミュニケーションサービス」と,ネットワーク事業パートナーの「300万人ユーザー+一般コンテンツ」の相互乗り入れにより,市場を拡大していきたい意向だ。
これによって300万のユーザーが増加する新市場では,ゲームデータ課金で1億円/月,ネットサービス利用料が5,000万円/月,市場拡大に伴うゲームタイトル増分は88億円,さらにch@bなどのライセンスビジネスは45億円にも登るとセガでは見ている。すべてが予想通りに行くとは思えないが,各社との提携やM&Mには相当の注力を図ると思われる。
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