L400Vシリーズの持つ、もう一つの“売り”が同社のハイブリッドレコーダー「RDシリーズ」との連携機能「テレビ de ナビ」だ。現在のRDシリーズは、アナログチューナーしか搭載していないが、テレビ de ナビを使うとテレビ側の3波対応チューナーを利用してデジタル放送の録画が可能になる。
もちろん、デジタル放送のストリームをそのまま録画する機能ではないため、録画時にはSD品質へダウンコンバートされるのだが、デジタル放送のEPGを活用して録画予約を簡単にした点が新しい。通常、アナログ入力機器でデジタル放送を録画すると番組情報を付加できないが、テレビ de ナビを使えば番組名や番組情報も一緒に伝送できる。
利用イメージは、i-Link接続のD-VHSやHDDレコーダーを使うときと全く同じだ。EPG画面で目的の番組を選択したら、予約録画を設定するだけ。すると録画先に「ビデオ(東芝RDシリーズ)」という項目が現れ、これを選択すると予約情報と番組情報がLAN経由でRDシリーズに伝送される仕組みだ。
ユーザーがネットワークを使っていることを意識する必要がなく、AV機器同士の接続と変わらない手順で処理できる。難点は、録画にテレビ側のチューナーを利用するため、予約録画を実行している間は他のデジタル放送局を視聴できないことだろうか(アナログ放送と録画中のデジタル放送チャンネルは視聴可)。裏番組を見たいのなら、やはりチューナーは2つ必要だ。
ネットワークを使ったアプリケーションを積極的に提案する東芝だが、本村氏は“ネットワーク対応”を全面に押し出すつもりはないという。それは、ネットワークは単なる通信手段であり、それ自体が家電にとって便利な機能になる訳ではないから。むしろ、ネット家電のイメージだけが先行する状況には疑問を感じているという。
「今回のL400Vシリーズに搭載したWebブラウザやテレビ de ナビは、ネットワークを活用した新機能を考えるうえで、市場の状況に合わせて最適なものを選択したものだ。最近は“ネット家電”が流行だが、“ネットワーク”という言葉が一人歩きするのは良くない。問題は、それを利用していかに便利な機能を付加できるか、だろう」(本村氏)。
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