かんじんの撮影結果に関しては、どうもスペック通りとはいかなかった。320×240サイズであればわりと滑らかな映像だったが、640×480サイズは映像はきれいなものの、ベスト/ファイン/ノーマル/ベーシック/エコノミーのどのモードでもカクカクした映像だ。どうも、320×240では24コマ/秒前後ほど、640×480ではせいぜい10コマ/秒程度しか出ていないようだ。一方、バッテリー駆動時間は、320×240/ベスト品質で動画撮影を行った場合で約110分と、かなり実用的なレベルだった。
搭載画面は低温ポリシリコンTFT液晶で、解像度は508×240ピクセル、発色も良好と、品質的にはよいのだが、なにしろ1.5インチと小型なので、撮影したファイルの確認以上の用途にはちょっと向かない。では、「確認」ではなく「観賞」する場合にはどうすればよいかというと、ミニジャックのAV出力が用意されており、外部テレビへの映像/音声出力ができる。
しかし、この外部出力の映像品質がかんばしくない。そんなわけで、このビデオカメラで撮影した映像は、カードで直接、あるいはUSBケーブル経由でPCへ持っていき、そこで再生するというのが正しい使い方のようだ。
デジタルスチルカメラモードの設定や使い方は、ビデオモードと大きく変わるところはないので特に触れない。撮影した画像に関しては、小径レンズのせいか、周辺部がボケるのが最大の難点か。解像感はデジタルスチルカメラよりは、やはりDVカメラで撮影した静止画像に近い印象だ。
MP3再生に関しては、音質はともかく、インタフェースが最低限のものしか用意されていないので、常用にはあまり向かない。MP3ファイルは撮影ファイルと同じ、“\DCIM\100AXH10”に入れておく必要があり、再生画面上ではファイル名ではなく、単に「FILE 01」「FILE 02」としか表示されない。ボイスレコーダーはWAVE形式(モノラル、8kHz〜48kHz)となる。
いずれにせよ、“DVカメラ並みの動画撮影”だとか、“デジタルスチルカメラ並みの静止画撮影”、しかも、“MP3再生にもガンガン使えるかも!”などと過度な期待を抱くと、ちょっと思惑が外れてしまうだろうが、QVGAサイズの滑らかな動画撮影をメインに、フレームレートはやや落ちるもののVGA動画撮影も可能と捉えれば、悪くない出来だ。静止画もちょっとした記録撮影には十分に対応してくれる。前述のとおり、持ち歩くのにも苦にはならない軽さだし、散歩のときに気軽に持ち出したいと思わせてくれた製品である。
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