東芝のRDシリーズに続き2番組同時録画を採用したDIGAだが、実装方法はいかにも松下らしい。ここでは2つの録画機能をレコーダー1/2として表記するが、まずレコーダー1/2は録画機能に関する相違は一切なく、録画予約時に明示的にレコーダー1/2を指定することもできない。録画の制限として存在するのは、1番組が最大8時間ということだけ(8時間を超える場合は、複数番組として分割される)。つまり2番組同時録画機能は、できるだけ見えなくしてあるし、見せる必要もないという判断なのだろう。
予約一覧を見ても、どちらのレコーダーで録画するのかわからない。正確にいえば、予約録画を開始する時点で空いているレコーダーを利用するだろう。ほかのDIGAと異なる点があるとすれば、録画時間の重なる3つ目の録画予約を行った時に初めて「予約が3つ以上重複してますよ」と警告画面が出ることくらいだ。
前述のスポーツ延長対応機能も、2番組同時録画機能を活かしている。録画の自動延長より通常予約を優先するのはほかのDVDレコーダーと同じだが、自動延長分がほかの録画予約と重なっていても、2番組までなら自動延長のぶんも中断せずに録画される。3つ以上の番組が同じ時間帯に重なった場合のみ、初めて自動延長ぶんの録画が中断する。
わかりにくいかも知れないので具体例を示す。「予約A」が4チャンネルで「21〜22時」、「予約B」が6チャンネルで「22〜23時」、「予約C」が8チャンネルで「22時30分〜23時」だったとする。4チャンネルがプロ野球中継で30分延長された場合、レコーダー1で「予約A」の録画を21〜22時30分まで行い、レコーダー2では「予約B」(22〜23時)を録画する。そして、レコーダー1で予約C(22時30分〜23時)と、全て問題なく録画できるわけだ。
ちなみに、予約Cが22時開始だった場合には、予約Aの自動延長録画は行われないし、予約Cが22時15分開始なら、予約Aの自動延長は22時15分で中断される。予約ごとに録画の優先順位をつけることができたら理想的にも思えるが、逆に混乱するかもしれない。予約Aをどうしても録り逃したくなければ、予約Bか予約Cのどちらかを諦め、プロ野球中継の延長を見越して最初から21時〜22時30分で予約すれば済む。
EPGのデザインは従来通り。3局4時間分を一覧できる“新聞のテレビ欄”タイプだ。「どっちも録り」搭載によるデザイン変更はなく、従来との違いは同じ時間帯に「予約済み」マークが2つ並ぶことだけ。
番組表では、同じ時間帯のまま翌日や前日に移動できる。たとえばゴールデンタイムだけを続けてチェックしていくことも簡単だ。なお、放送時間の短い番組は、一覧から番組名を確認できないが、その存在がわかるように色が変わっている部分があり、そこに移動すると番組名がポップアップする仕組み。1画面あたりの情報量が制限されるテレビ向けのEPGとしては、やはり使いやすい。
視聴画面は、明示的にレコーダー1/2をリモコンもしくは本体のボタンで切り換え可能だ。録画中にもう1つのチューナーを使って裏番組を見ることができる。また、2つのチャンネルを行ったり来たりしている時も、いちいちチャンネル操作するより、レコーダーを切り換えたほうが早い。
もちろん2つのレコーダーが録画中であっても、録画済みの番組を再生できる。2番組をXPモードで同時録画しつつ、XPモードで録画した番組を再生するといった意地悪もしてみたが、挙動がおかしくなるようなことはまったくない。ヘッドシークが激しくなるはずのHDDからも、動作音はほとんど気にならないレベルだった。
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