背面には冷却ファンがあり、常に回転している。手をかざすと生暖かい空気がゆっくりと出ているが、通常は低速回転。前面からであれば、DVDの回転音のほうがむしろ気になる程度の静かさにとどまる。つまり、通常聴くレベルの音量であれば問題ないが、MAX近くまで音量を上げてDVD再生をしていると、断続的に回転が高速になる。
5.1ch音声の映画を視聴してみたところ、音質が浮き気味で軽い印象はあるが、サラウンド感については、ビクター「NX-DV3」と同レベルか、やや上回っている。ただ、音量をある程度上げると音が歪んでくるので、大音量再生には不向きだ。
通常のステレオ収録の音楽は、サラウンドオフでは力不足に感じるので、V.F.S.のMUSICモードで聴いたほうがいいだろう。MUSICモードでは最低限のエフェクトにとどめられているので、違和感もあまり感じない。ただ、不便なことに、V.F.S.モードの設定をソースごとに覚えてくれないため、ソースに合わせて、手動でモード切替を行う必要がある。
また、CD-R/RW(ISO9660フォーマット)に記録された、MP3/WMA音声やJPEG映像ファイルの再生も可能だ。ビクター「NX-DV3」では、ディスクに音声と映像の両方が書き込まれている場合、初期設定で指定したほうだけ読み込めたが、この製品では混在していてもそのままブラウズできる。ファイルの一覧も、ディレクトリ表示だけではなく、アイコン(JPEGはサムネイル)一覧にも切り替えられる。
今回はフロントサラウンド特集ということで、この製品を取り上げたが、やはり機能面で少し古い印象は否めない。ケンウッドではほかに5.1chホームシアターシステム「DVT-6300」(2004年8月発売)をリリースしており、価格もほぼ同程度なので、特にMDやチューナーが必要でなければ、そちらを検討してもいいだろう(フロントサラウンドではないが……)。ただし、こちらもMPEG-2 AACには非対応となる。
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