SV-SD100Vは、USBストレージクラスをサポートしているため、USBケーブルでPCと繋げば、オフィス文書などの一般的なファイルもSDカードに保存して持ち歩くことができる。ただし、MP3ファイルをそのままコピーしても再生できない。PCから曲を転送する際は、同梱ソフト「SD Jukebox Ver.5.OLE」が必須だ。
SD Jukeboxは、CDや手持ちのMP3ファイルなどをSDオーディオフォーマットに変換して転送するほか、プレイリストの作成や楽曲の管理が行える。基本機能は従来通りで、SDカードへの転送が「start」ボタンのワンクリックだけになるなど、ユーザーインタフェースに若干の変更が加えられた程度だ。対応OSは、Windows 2000/XPのみで、Mac OSはサポートしていない。
今回の新製品の場合、ポイントになるのはミニコンポとの連携機能だろう。SDカードスロットを備えた「SC-PM910DVD」と「SC-PM710SD」なら、PCを介さずにCDからAACへのフォーマット変換&転送が行える。今回は時間の都合で検証できなかったが、機能の概要だけ紹介しておきたい。
CDから楽曲をSDカードに取り組む場合、LP(長時間)、SP(標準)、XP(高音質)という3つ録音モードがある。ビットレートはそれぞれ64kbps、96kbps、128kbpsで、ダビング時間は実再生時間の1/3から1/4。たとえば74分間のCDなら、約19分でSDカードへの書き込みが終わるという。赤外線インタフェース付きのiモード端末(505iシリーズ、900iシリーズなど)と、ナノメディアが提供する「アプリモコンポ」があれば、楽曲情報を付加することも可能だ。
松下電器産業では、新しい「D-Snap Audio」シリーズを「軽量コンパクトで、“音飛び”がないポータブルオーディオ」としてプッシュしていく方針だ。PCとシリコンオーディオの世界では数年前によく聞いたフレーズだが、ミニコン連携によって非PCユーザー層という新しい市場が視野に入ってきた今、改めてシリコンオーディオプレーヤーのメリットを打ち出すことにも意味はあるだろう。ポータブルCD/MDプレーヤーからの買い換え層には、PC前提のオーディオ機器と比べて分かりやすく、訴求力も高い。
実際、製品としての完成度は高く、ミニコン連携の容易さも魅力的だ。SDカードが付属しない点を除けば、初心者に極めて優しい製品といえる。iPod全盛の状況で、新しい「D-Snap audio」シリーズがどこまで市場を獲得できるのか。今後の市場動向も気になるところだ。
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