最後に、D4端子を装備しているワイドテレビに接続して、動画ファイルのアスペクト比が正確に表示されるかチェックしてみた。使用したのは、筆者が仕事場に置いているシャープの液晶テレビ「LC-22AD5」だ。
AVLP2/DVDG-2は、画像の出力を「画面にあわせる」「フルスクリーン」「実サイズ」「AR2(スクエアピクセル)」の4つから選択が可能なので、この4つでアスペクト比が正しく表示されるか確認した。出力に使用したのはD端子、画像出力の設定は720Pだ。
ファイル(アスペクト比) | 「画面にあわせる」 | 「フルスクリーン」 | 「実サイズ」 | 「AR2」 |
---|---|---|---|---|
DivX(4:3) | OK | NG | OK(画面中央に小さく表示) | OK(かすかに枠が表示される) |
DivX(16:9) | OK(かすかに縦長) | OK(かすかに縦長) | OK(画面中央に小さく表示) | OK(かすかに枠が表示される) |
MPEG-2(4:3) | NG(横に広がる) | NG | NG(画面中央に横長で表示) | NG(横長で枠も表示される) |
MPEG-2(16:9) | OK(かすかに縦長) | OK(かすかに縦長) | OK(画面中央に小さく表示) | OK(かすかに枠が表示される) |
WMV(4:3) | OK | NG | OK(画面中央に小さく表示) | OK(かすかに枠が表示される) |
WMV(16:9) | OK(かすかに縦長) | OK(かすかに縦長) | OK(画面中央に小さく表示) | OK(かすかに枠が表示される) |
アスペクト比を忠実に再現したいなら「AR2」、通常は「画面にあわせる」に設定するのが良さそうだ。「フルスクリーン」では、文字通り16:9のワイドパネルいっぱいを使って表示してしまうため、4:3コンテンツが不自然に表示されてしまう。「実サイズ」は、アスペクト比に関しては「AR2」と同様に正確に表現されるものの、画面中央にちみっこく表示されてしまうため、迫力に欠ける。
ちょっと不思議だったのが4:3のMPEG-2ファイルで、どんな設定にしてもやや横長に表示されてしまう。いくつかファイルを変えて試してみたが同じ結果なので、使用した機材の組み合わせに起因する固有の現象かもしない。ちなみに普通の4:3タイプのテレビでは、こうした問題は起きない。
いくつかのサーバソフトを交えて検証してみたが、接続互換性と再生機能については、ほぼ期待通りの性能と言って良さそうだ。接続性と汎用性が高まったおかげで、製品の魅力は大きく向上している。
しかし、若干の不満も感じないではない。まずひとつめは、サーバ側の仕様によって、クライアント側のユーザーインタフェースがかなり変わってしまうこと。もうひとつは、メディアファイルの管理がサーバ単位でしか行えないことだ。せっかく複数のサーバにアクセスできるようになっているのだから、それぞれのサーバに保存したメディアファイルを統合して管理し、「どこのサーバに保存したファイルなのか」ということを意識せずに利用できるようになると、もっと便利になると思う。
このあたりはサーバ側の制御方法に依存するところなので、本機のようなクライアント側で対応するのは難しいのだろう。ただし、利便性を高めるということを考えるのであれば、DLNAの規格内にそうしたデータベース管理規格が存在してもよいのではないか、と思うのである。
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