画像エンジンはキヤノン伝統の「DIGIC」。最新のDIGIC IIではないのが残念だが、画質自体はキヤノン独特の見映えのする色鮮やかさと正確なオートホワイトバランスで、かなり安心して使える。AFも9点測距のAiAFでかなり正確。キヤノン得意の色効果モードを使えば、より派手で艶やかな写真も撮れる。
何より、PowerShot A520が面白いのは、エントリー向けとは思えないほど、PowerShotシリーズの豊富な撮影機能が継承されていること。
モードダイヤルにはマニュアル露出や絞り優先AE、シーンプログラム5つを含む13のポジションがあるし、さらにSCNポジションにはいると「新緑」や「ビーチ」などのシーンプログラムが8つ選べるようになる。
AFは9点測距のAiAFだが、マニュアルフォーカスもOK。ホワイトバランスにはカスタム設定があり、ISO感度はISO50〜400の間で設定できる。
このあたりはPowerShotシリーズの基本撮影機能をほぼ受け継いでおり、エントリー向けと呼ぶのがもったいない充実振りである。
逆に上位モデルに比べて劣る点は、大きさ/反応速度/液晶モニター/動画機能の4つ。
ボディサイズは、高さが64ミリで奥行きが38.4ミリとちょっと大きめ。もっとも、幅は90.7ミリと前モデルに比べるとかなりコンパクトにはなっている。重さは外装が樹脂系のためか本体重量が約180グラムとかなり軽量。電池込みの撮影時でも約240グラムなのでそう重いわけじゃない。
一方で、反応速度は使っていてちょっと気になった。起動時間は約2.5秒と、2秒を切るのが当たり前になった昨今のスタイリッシュ系に比べるとちょっと長いし、メニュー操作時のレスポンスもちょっと鈍い。このあたりはDIGIC IIを使えば解消されるはずだっただけにやや残念。
操作系にも、ちょっとコストダウンの影響が見られる。液晶モニターは1.8インチどまり。モニターの下にMENUとFUNCボタンがあるが、使い勝手としては最新のIXY DIGITALが採用しているボタン配置(円形十字キー中央のSETボタンとFUNCキーを一緒にしたデザイン)の方が操作しやすいだろう。
動画は640×480ピクセルで10コマ/秒。さらに連続で30秒までしか撮れない。320×240ピクセルだと15コマ/秒で約180秒と一昔前のスペックだ。動画機能を楽しみたい人には向かない。
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