バッテリは単三形電池を2本使用する。アルカリ乾電池でも動作するがCIPA規格で約80枚しか撮れない。別途ニッケル水素充電池と充電器のセットを購入してそれで使うべきだろう。ニッケル水素充電池の場合は、CIPA規格で約300枚。実用レベルとしては十分だ。記録メディアはSDメモリーカードを使用する。
PowerShot A520はこのように、デザインや小ささを重視したIXY DIGITALシリーズに比べると質感で劣るし、ハイエンド系のPowerShot S/Gシリーズに比べると性能面でやや劣る。
もっとも、多少ずんぐりした分、グリップがしっかりしていて持ちやすいし、カメラとしての構えやすさはなかなかいい。
静止画に限れば撮影機能も豊富で、マニュアル露出やマニュアルフォーカスまで対応してくれるなど、IXY DIGITALに比べても多機能だ。
普通、エントリー向けのデジカメというと「機能も絞ってシンプルに」と考えがちだが、それとは正反対の充実振りなのだ。
エントリー向けの価格・デザインでありながら、本格的な機能を満載した「初心者向けというより入門者によい」デジカメなのである。それがこのシリーズのユニークな点だ。
低価格で安心して使えるズーム機が欲しいファミリー層・エントリー層にもお薦めできるし(フルオートで使ってもほぼ満足な結果が得られるだろう)、カメラは見せびらかすものではないしポケットに入らなくてもいいから、その分コストパフォーマンスが高くてマニュアル系機能が充実したデジカメが欲しいという人にもいい。
もっと極端な例を挙げれば、予算がなくて電池やメディア込みで4万円で抑えたいけれども、「押して撮る」だけじゃなくて露出やホワイトバランスを自分であれこれ設定して、凝った撮影もしてみたくて、それでいて画質もそこそこ求めたい……。そういう贅沢な人がいたら、このPowerShot A520を即座に薦めるのである。
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