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明るく色味の優れたDLP機が安価に――日本TIがDLP新製品/新技術(2/2 ページ)

» 2005年07月26日 16時45分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 このBrilliantColorの技術は、今回発表のWXGA「DLP.65」のほか、SVGA/XGA/720p/SXGA+の各解像度を持つビジネス向け/ホームシアター向けの両方のプロジェクターで採用可能だという。

 「DLP.65」と「BrilliantColor」が搭載されたDLP製品の量産開始は今年第4四半期から。「今年年末から来年にかけて、より多くのDLP製品が出てくる予定」(同社)

photo 発表会では「DLP.65」と「BrilliantColor」を搭載したプロジェクター試作機でプレゼンテーションが行われた

 また今回の発表会では、今年7月1日付けで同社DLP事業部長に就任したのピーター・ヴァンケッセル氏が、同社のDLP事業の推移と日本でのDLP事業の展開を語った。

photo 同社DLP事業部長のピーター・ヴァンケッセル氏

 「DLP搭載機はフロントプロジェクター市場で47%のマーケットシェアを確保し、年平均でも30%を超える成長率を見せ、今年末までに全世界で400万台、2008年には1000万台が見込まれるなど今後も拡大が予想される。また、小型化が容易なDLPの特徴を生かした新たなマーケットとして、500グラムを下回るポケットプロジェクターという新カテゴリーも創り出しているほか、プロジェクターにDVDプレーヤーを組み込んだオールインワンのHP ep9012といった製品も登場している。一方、リアプロのマーケットでは、画質/デザイン/コスト競争力の3つにフォーカスして、市場を拡大している。市場で受け入れられている唯一のデジタルシネマ技術としてDLPシネマも好評で、スターウォーズ・エピソードIIIの上映でも話題となっている。DLPシネマは現在全世界で382スクリーンだが、将来的には2800スクリーンまで拡大すると見込まれている」

 「課題もある。特にリアプロの世界では1080p対応など、高品位な画質に主眼を置き、コントラスト比、色の品位を向上させていく。特にコンシューマ向けには画質の信頼性・安定性が重要。そして市場でのリーダーシップをとるためには、コスト競争力も必要となる。性能向上やコストダウンにつながる技術革新のため、R&Dに積極投資を行っていく」

 「日本市場についても一言述べたい。全世界でDLPフロントプロジェクターは47.3%のシェアを確保しているが、日本でのシェアは27.2%と全世界に比べて低い。日本市場の特徴は、パフォーマンス重視でコスト競争力も必要、さらに競合メーカーも多い。大きなライバルとして液晶陣営の存在がある。今後は、日本でのシェアを伸ばしていくために、マーケティングの強化、DLPシネマを通じてのDLP認知度向上を図っていく構え」

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