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常に持ち歩ける小型ボディに実用機能満載──キヤノン「IXY DV S1」レビュー(3/3 ページ)

» 2005年09月07日 08時23分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 撮影の手順はもはや説明不要だろう。ただし、撮影モードの選択手順は少々変わっている。モードダイアルがAUTO(全自動)、P(プログラムAE)、SCN(シーン選択による簡単撮影)の3ポジションへと単純化されたため、FUNC.ボタンを併用するのだ。ダイアルをPのポジションに合わせると、FUNC.メニューの最上段に「P」、「TV」(シャッター優先AE)、「AV」(絞り優先AE)の選択項目が追加される。また、SCNでは同様に、「ポートレート」「スポーツ」「ナイト」「スノー」「ビーチ」「夕焼け」「スポットライト」「打ち上げ花火」といった撮影条件を選べる。

photo 「IXY DV M5」や「DC20」と同じ、新インタフェースを採用。アイコンのアニメーションやカラフルな表示で、メニュー構造もわかりやすい
photo モードダイアルはAUTO/P/SCNの3ポジションしかなく、FUNC.ボタンを併用。このSCNモード時では、「ポートレート」「スポーツ」「ナイト」「スノー」「ビーチ」「夕焼け」「スポットライト」「打ち上げ花火」から撮影条件を選べる

 撮影および信号処理を担うのは、キヤノンビデオレンズ、RGB原色フィルター、そして、映像エンジン「DIGIC DV」。キヤノン製ビデオカメラでは、もはや定番の組み合わせである。当然ながら、撮影した映像の傾向も似通っており、やはり、動画、静止画とも発色の良さは際立つ。ただし、若干ながら、色の深みに物足りなさを感じる部分はある。

 残念なのは、USB端子が2.0ではなく、USBビデオクラスでの接続ができない点。「FV M30」や「IXY DV M5」では採用していたのだが、「IXY DV S1」では省略されている。個人的には、このようなエントリークラスの製品にこそ、搭載すべき機能ではなかろうかと思う。また、電源スイッチからネットワークモードがなくなっているが、これはDV Messenger機能が外されたわけではない。PCとの接続を行い、ソフトウェアを起動することで利用が可能だ。

photo DV端子だけでなくUSB端子も装備しているが、残念ながら、USBビデオクラスには非対応。一方、ビデオチャットやリモート留守番カメラにも使える「DV Messenger」機能は利用可能だ

 この「IXY DV S1」では、見た目のコンパクトさだけでなく、なにより、その“軽さ”が魅力的だ。そこへ、内蔵レンズカバーなどの各種機構も相まって、常に持ち歩くのに適したビデオカメラに仕上がっている。これまでにもコンパクトDVカメラは数多く発売されてきたが、デジタルスチルカメラのように気軽に携帯でき、なおかつ、本格的な動画撮影が可能な製品が、ようやく登場したといえるだろう。

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