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デジタル家電の進化をドライブする3つのキーワード――松下電器CEATEC JAPAN 2005(2/2 ページ)

» 2005年10月05日 16時23分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 UD(ユニバーサルデザイン)という括りでは、DIGAに採用された「ボタンすっきりくるくるリモコン」や「音声設置ガイド」などを挙げた。「通常の新機能は、ハイエンドの商品から導入して下位モデルに展開するものだが、UD関連の機能は下から入れていく必要がある。ある意味、冒険だ」。

 そしてCD(コンテンツディストリビューション)では、ニフティが開始した音楽配信サービス「MOOCS」(ムークス)を取り上げた。MOOCSは、SD-Audio形式を採用しており、松下製のポータブルオーディオプレーヤーや携帯電話などを利用して楽曲を楽しめる。「セキュアな流通環境を作り、コンテンツ事業者とのアライアンスを進める。たとえばSD-Audioを再生できる機器は、2005年度末までに700万台を超える見通し。これを生かすことが大事だ」。

 「デジタル機器はこれまで、機能を“足し算”で増やしてきた。たとえば携帯電話とデジタルカメラを合わせたケータイカメラのように、商品の枠を取り払い、融合製品を作り出せるのがデジタル化のメリットといえる。しかし、それをもう1歩進めるのがネットワークだ。デジタル機器をネットワークで繋げば、複数の機能を、レイアウトフリーで便利に使える」。

photo 津賀氏が「ユビキタスの代表例」として挙げた製品は、「どこでもドアホン」。将来的に、IP化によって外出先でも利用できるようになるという

 同社は、電灯線を利用する「HD-PLCや同軸ケーブルの「c.Link」、そして専用ボックスだけでVPNを構築する「VIANA」(ビアナ)などデジタル家電同士を繋ぐネットワーク技術の開発を進めている。しかも、インターネットを利用するVIANAはともかくとして、宅内ネットワーク技術はいずれも工事の必要がなく、また複数のHD映像を伝送できるスピードを前提としているのがポイントだ。

photo お手軽VPNを実現するVIANAの専用ボックス

 公演の最後に、津賀氏は10年から15年後を想定したリビングルームとバスルームのイメージを披露した。リビングルームには、ハイビジョンを超えた解像度を持つ大画面シートディスプレイがぶら下がり、3Dサウンドが画面から流れる。テーブルの上にはホームセキュリティ端末を兼ねたAVコントローラがあり、いつでも高品質のコンテンツをネットワーク経由で入手できる。しかもセキュリティシステムが異常を検知したら、すぐにコントローラやディスプレイで警告する。「安心して臨場感のある大画面映像に没頭できる」。

 バスルームにあるのは、防水仕様のシートスピーカーと壁テレビ。ネットワーク経由でハイビジョン映像を楽しめるのはもちろん、インターネットに接続したヘルスケアシステムも埋め込まれており、バスルームで計測したデータをもとに専門家のアドバイスを受けることができる。もちろん、エコロジーな高効率給湯システム付きだ。

 「10〜15年後には、エンターテイメントとヘルスケアが充実し、エコロジーな生活が実現する。そこは、ユビキタスな技術がユーザーの気づかない所で活躍している社会だ」(津賀氏)。

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