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れこめんどDVD「イン・ザ・プール」DVDレビュー(2/3 ページ)

» 2005年11月18日 19時28分 公開
[キャロルもつお,ITmedia]

ケース1 継続性勃起症 営業マン、田口

 3年も前に別れた妻の夢を未だに見てしまう田口は、この丸2日間、あそこが勃起しっぱなし! 冷やそうが、ショックを与えようが、勃起した息子の機嫌は治ることがない。男のプライドを保ちたかった田口は、妻が浮気し、出ていったときでも何も言えなかった。息子は、怒れない田口の変わりに怒っているのか!?

ケース2 強迫神経症 ルポライター、涼美

 とにかく心配事で頭がいっぱい。いつも抱えた大きなバッグの中には、降水確率が低かろうが持ち歩く折りたたみ傘も、当然ながら入っている。外出してからは、家の鍵を閉めたか、ガスの栓を閉めたか、電気のたこ足配線は大丈夫か、もう気になって仕方がない。頭に浮かぶのは最悪な状況ばかり。これでは家から出られない!

ケース3 プール依存症 エリート管理職、大森

 社内でも重要な地位に就いている大森のストレスは多い。家では妻の相手もしなければならないし。そんな彼が精神の安定を図るために始めたのがジムでの水泳。仕事に疲れた身体には、有酸素運動の水泳はもってこいだ! っと思っていたのだが、今ではプールなしではいられない身体に。1日だって泳がずにはいられない。アレ、これって逆転現象!?

 24時間勃ちっ放しの田口クンの症状には困りものだが、涼美や大森の症状には、共感できる人も多いはずだ。とくに涼美の、鍵をかけたか心配で家に帰ってしまう。なんてことは、きっとみんな経験したことがあるだろう。でも度が過ぎてしまえばそれはビョーキ。そうして、彼らは伊良部総合病院の門をたたいてしまう。

伊良部先生=松尾スズキの配役は賛否両論だが 

 原作ファンのみなさまも、トンデモ医師という言葉だけで惹かれてしまったあなたさまも、気になるのは“誰が”伊良部に扮しているかということでしょ。この、トンデモ医師を演じたのは松尾スズキであります! 一部マニア(?)や演劇ファンにとっては超有名人の松尾スズキ氏であります! 本作は彼の初主演映画なのであります! といいつつ、知らない人もいるかもしれないので、ちと補足。彼はあの人気劇団「大人計画」の主宰者(宮藤官九郎、阿部サダヲ、荒川良々なんかもココ所属)。もちろん、脚本も書き、演出も手がける。俳優としても活躍し、NODA MAP「パンドラの鐘」なんかにも出演している。テレビや映画にも数多く出ているので、大人計画を知らなくても、顔を見たことがある人も多いはず。執筆活動もしてるしね。

 さて、松尾氏がイメージできましたか? 彼が伊良部医師。ここで、原作ファンのみなさまは頭を傾げるかも。イメージが違う。伊良部医師といえば、ふとっちょの中年医師で、5歳児なみの反応を示す変な人にもかかわらず、何だか憎めない貴重なキャラ。原作の伊良部は天真爛漫さいっぱいの“陽”タイプなのに対し、松尾氏は、ひとり教室の隅で、不敵な笑みを浮かべながら線香花火をしている姿が似合う“陰”タイプ。桂三枝師匠ばりの明るい「いらっしゃ〜い」が松尾氏にできるのか? って、やる必要なんかないの。松尾氏には松尾氏の伊良部医師がお似合い。かく言うわたしも多分に心配しましたが、ちゃーんと新しい伊良部医師が誕生しておりました。ちょっと犯罪者入った怪しい目つき(褒め言葉です)も、イイ感じ。ただ、マユミちゃんには、ちと不満あり。そのナース服、もうちょっとミニにしてくれなくっちゃ。胸元ももっとはだけて、はだけて!(注、わたしは♀)扮したモデル出身のMAIKOちゃんの、せっかくの完璧ボディがもったいないじゃないの。そこが不満といえば、不満ですな。

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