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“コスメでフラッシュ”なgigabeat――東芝「gigabeat P5」レビュー(2/2 ページ)

» 2005年12月16日 11時28分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 再生可能なファイル形式はMP3/WMA/WAVの3種類。Windows DRMにも対応する。既存のgigabeatシリーズには転送ソフトとして「gigabeat room」が添付されていたが、本製品には付属せず、転送はWindows Media Player10(WMP10)を利用する。

photo WMP10で同期

 転送が完了すれば本製品で音楽が楽しめる。操作方法は簡単で、電源を入れた後に現れるメインメニューから「オーディオ」を選択し、アルバム/アーティスト/プレイリストのいずれかから聴きたい楽曲を選択するだけ。「プラスボタンで項目を選択し、決定ボタンで選択決定」というインタフェースは直感的な操作を可能にしており、戸惑いを感じることはない。

 再生中にはプラスボタンの上下で音量調整、左右で早戻し/早送りが行え、決定ボタンを押せば再生/一時停止となる。プラスボタンをはじめとしたボタン類はクリック感もしっかりしており、快適な操作が行える。ボタン入力に対する反応も機敏だ。

photo 再生中の画面

 再生中でも側面のMENUボタンを押せばメインメニューの呼び出しが可能で、イコライザーの適用や再生モードの変更はここに用意されている「設定」から行う。イコライザーはFLAT/ROCK/JAZZ/CLASSIC/POP/USERの6項目で、再生モードは通常再生のほか、1曲リピートやシャッフル再生など合計5つのモードを備えている。プリセットイコライザーはかなり強力に効くので、慎重に適用したい。

 パッケージに付属するヘッドフォンと組み合わせて試聴してみたところ、ベースもしっかり響き、全体的なバランスも悪くないのだが、高域部分がこもるような印象を受ける。人によっては「ヌケが悪い」と感じるかもしれない。ただ、これは付属ヘッドフォンによるもののようで、試しにゼンハイザーの「MX400」やソニーの「MDR-EX71SL」、オーディオテクニカの「ATH-CK5NS」と組み合わせてみたところ、ヌケの悪さは改善された。

 音質だけでなく、付属ヘッドフォンのカラーは白みがかったシルバーで、レッドパレットのボディカラーにはミスマッチだ。同社に確認してみたところ、ボディカラーにかかわらずヘッドフォンはシルバーのみとなっているそうで、この辺りは何とかして欲しいところだ。

photo 付属のヘッドフォンはシルバー。レッドパレットはブラックのラインが入っているので、ヘッドフォンはブラックの方が似合うと思うが……

 録音可能なFMラジオやダイレクトエンコーディング、ボイスレコーディングの機能も備え、ディスプレイにはJPEGの画像データを表示させることもできる。表示させるには、まずPC上で「Photo」というフォルダを作成して本体メモリ内の「メディア」フォルダにドラッグ&ドロップした後に、そのPhotoフォルダへ画像データをコピーしてやればよい。

photo 本体ディスプレイでデジカメデータを表示

 ディスプレイサイズは1.1インチと小さく、解像度もそこそこ(96×96ピクセル)なので、迫力ある画像を楽しめるとまでは行かない。オマケ的な機能と考えておく方がいいだろう。


 本製品の魅力はなんといってもそのスタイル。フラッシュメモリプレーヤーはUSBメモリのような無味乾燥なデザインの製品も数多いが、メイクパレットのような類を見ないフォルムをまとった本製品のデザイン性は高く評価されてもよいだろう。十分に小型軽量であり、操作性もシンプルで好感が持てる。

photo 時計のスクリーンセーバーも用意されている

 しかし、もう一押し、なにか強烈な個性が欲しかったというのも正直な感想だ。これまでのシリーズ製品は取り外し可能なカード型HDD(初代)、感圧式センサーの「プラスタッチ」(F、Xシリーズ)、ネットワーク対応機能(Gシリーズ)など他社製品に類を見ないプラスアルファを備えており、それが個性であり、魅力でもあった。

 本製品は東芝の創立130周年を記念し、戦略性の高い商品として企画された「T130商品」のひとつ。後継製品が投入されるかは未定だが、フラッシュメモリプレーヤーに対する需要は高いだけに、デザインのみならず機能面でももう一皮むけた次世代製品の登場を期待してしまう。

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