DLPの攻勢に対抗すべく昨年のCESで気勢を上げた3LCDグループ。3LCDのブースでは、昨年末に日本で発売されたセイコーエプソンのフルHD対応リアプロTV「Gシリーズ」の米国版が参考出展されていた。
65インチの試作機はGシリーズの特徴にもなっている専用設計の2ウェイ大口径スピーカーをやめて低コスト化を図ったほか、本体色もブラックを基調にしたのものにしている。
フルHD化は、大画面になればなるほどコストパフォーマンスが高くなるリアプロTVならではの特徴を生かした、いわば“セオリー通りの策”だが、三洋電機のブースではリアプロTVのメリットをあえて犠牲にした新たな提案が行われていた。
展示していたのは、バックライトにLEDを使った55インチの液晶リアプロTV。LEDを採用することで、色再現率を120%(プラズマテレビは90%)へと大きく高めた。また、LEDなので電源投入後すぐ画面が表示できるほか、ランプに比べて寿命が長いというメリットを持つという。熱を持ちやすいLEDシステムに対応するため、独自クーリングシステムと高効率の照明技術を駆使して、熱の課題もクリアしている。
かわりに犠牲になったのは「消費電力」と「価格」だ。リアプロTVは、画面サイズが増えても消費電力は120〜200ワット前後で済み、同サイズのプラズマテレビに比べて約半分の電力という低消費電力がメリットだった。LEDはランプに比べて消費電力が高くなる(試作機の数値は非公開)のに加えて、現時点ではランプよりも高コストになってしまう欠点がある。
「大画面テレビでプラズマよりも高い色再現性というのが最大の開発コンセプト。リアプロTVで果たしてそのようなニーズがあるかどうか、今回の展示でユーザーの声を集め、その上で製品化を決めたい」(同社)
三洋のブースではこのほかにも、狭額ベゼル採用で80インチという大画面のリアプロTVも参考出展。こちらは同社の液晶テレビ「CAPUJO(カプージョ)」を思わせる丸みを帯びたデザインもアクセントになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR