撮影品質は、静止画に関してはやはり満足度が高い。色はやや派手に乗ってしまう傾向もあるが、見た目の美しさを損なわない範囲に収まっており、しかも、あくまでも自然な雰囲気で見せてくれる。解像感も単に輪郭が立っているというレベルではなく、細かい部分まできっちりと描き込まれている。ほかの多くのビデオカメラでは、ほとんど太刀打ちできない領域に達しているといっていいだろう。
動画についてもおおまかな傾向は同じなのだが、最終的には静止画ほどの情報量は残せないため、印象も変わってくる。ぱっと見にはキレのある印象を感じさせるものの、輪郭の強調とコントラストの高さがやや目立っており、悪く言えば、それで乗り切ろうとしている感じも受けてしまう。
逆に、松下電器産業のDVDビデオカメラ「VDR-D300」では、特に強調された部分がなく、ともすれば押しの弱い印象にもなりがちだったが、しっかりと奥行きや細かさを醸し出していた。極端な差があるわけではなく、また、どちらをよしとするかは好みの問題もあるだろうが、ともかく、両者の絵づくりは対極に位置しているといえるだろう。
この「DC40」を試用する前は、少しの画質差であれば、よりコンパクトかつ軽量な「DC20」を選ぶかなと、個人的には考えていた。しかし、動画・静止画とも撮影品質がここまで向上しているのを目の当たりにすると、どちらか迷うのであれば、やはり「DC40」のほうを選択すべきだろうと思う。
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