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CCD強化で“写真DV”により磨きを――キヤノンDVDビデオカメラ「DC40」春のビデオカメラ特集(3/3 ページ)

» 2006年03月24日 12時33分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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静止画はさすがの高品質で、まさしく“写真DV”にふさわしい出来

 撮影品質は、静止画に関してはやはり満足度が高い。色はやや派手に乗ってしまう傾向もあるが、見た目の美しさを損なわない範囲に収まっており、しかも、あくまでも自然な雰囲気で見せてくれる。解像感も単に輪郭が立っているというレベルではなく、細かい部分まできっちりと描き込まれている。ほかの多くのビデオカメラでは、ほとんど太刀打ちできない領域に達しているといっていいだろう。

photo 単に画素数を上げただけではなく、CCD自体も大型化しているため、従来の描写力の高さはそのままに撮影解像度が上がった格好だ。静止画をズーム再生した場合でも緻密な映像が得られる

 動画についてもおおまかな傾向は同じなのだが、最終的には静止画ほどの情報量は残せないため、印象も変わってくる。ぱっと見にはキレのある印象を感じさせるものの、輪郭の強調とコントラストの高さがやや目立っており、悪く言えば、それで乗り切ろうとしている感じも受けてしまう。

 逆に、松下電器産業のDVDビデオカメラ「VDR-D300」では、特に強調された部分がなく、ともすれば押しの弱い印象にもなりがちだったが、しっかりと奥行きや細かさを醸し出していた。極端な差があるわけではなく、また、どちらをよしとするかは好みの問題もあるだろうが、ともかく、両者の絵づくりは対極に位置しているといえるだろう。

 この「DC40」を試用する前は、少しの画質差であれば、よりコンパクトかつ軽量な「DC20」を選ぶかなと、個人的には考えていた。しかし、動画・静止画とも撮影品質がここまで向上しているのを目の当たりにすると、どちらか迷うのであれば、やはり「DC40」のほうを選択すべきだろうと思う。

ビデオ撮影のサンプル画像

photophoto いずれもXPモードで撮影。輪郭や色のメリハリはしっかりしているものの、細かい部分は少し曖昧な印象だ

静止画撮影のサンプル画像

photophotophoto 静止画の画質はスーパーファイン/ファイン/ノーマルから選択可能。画面サイズは4:3のみで、2304×1736/1632×1224/1280×960/640×480の4種類から選べる。ここではすべて2304×1736・スーパーファインで撮影した。ファイルサイズは2Mバイト前後となる。画質に関しては本文でも述べたが、十分に満足できるレベルといっていいだろう。ノイズもほぼ見受けられない
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